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第8-2話念願の時
指の腹が私の中を揉み解し、拡げていく感覚が鮮明に伝わってくる。
やっと訪れた詠士の来訪に体中が騒ぎ、頭の後ろが悦びに騒いで私の欲を加速させる。
詠士の指の動きに合わせ、私は腰を揺らし、少しでも欲しい所へ刺激を集めようとしてしまう。それに気づいていても、まだ焦らすような、もったいぶるような手つきで、詠士は私の中をどこまでも優しく解す。
もういいだろうと目で訴えても、詠士は指を二本に増やしただけで、なかなか私が欲しいものをくれない。その顔を見れば、どうすればいいか分かるだろ? と言いたげな笑みを浮かべている。
普段の私では口にできないことを言わせたいのだと察して、素直に欲望のまま言葉を紡ぐ。
「詠士……挿れて。もう、限界なんだ……君が欲しい。私の中を、君で埋めて……そのまま壊れるまで、私を、愛して……」
言い慣れないことをたどたどしく伝えていけば、詠士は一度私を抱き締め、耳元で答えを返してくれた。
「ああ、分かった。俺も繋がりたい……真太郎の中を、ずっと愛したくて仕方がなかったんだ。ほら、脚を開いて。大きく……そうだ。良い子だ」
言われるまま大胆に脚を広げれば、詠士はのそりと私の中心へ体を割り入れ、一度頭を撫でる。
そうして高まり切った熱情で、私を静かに貫いた。
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