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第12-1話そしてふりだしに戻る

「……困った……」  延々とまぐわい続け、ようやく互いに力尽きてそのままうたた寝してしまった後。  目覚めてしばらくぼうっとしてから、私はぽつりと呟いた。 「どうした真太郎?……なんか、前にも似たような感じのことがあったような……」  隣で私に体を向けながら、ゆったりとくつろいでいた詠士が声をかけてくる。気が済むまで私を抱いたせいか、心なしかいつも以上に顔がスッキリしている。 「ぅぅ……これ以上深みにはまってしまうと、日常生活に差支えが出るから連日の行為は避けようという話だったのに……これでは逆に毎日君のことでいっぱいになってしまう」 「それは大本望なんだが……駄目か?」 「駄目……っ、ではないが……詠士とのことしか考えられなくなる。他のことに手が付けられないのは、やはり困る……」 「慣れていないだけだ。何度も経験して、これが真太郎の当たり前になっていけば、余裕が出てきて他のこともやれるようになると思う」 「……当たり前になるまでやらなくてはいけないのか? 頭が壊れてしまいそうな――」 「エッチしない、は俺の選択肢にないからな。前みたいにその時望むままにやるのもいいし、何日もかけて体を敏感にして愛し合うのもいい……俺はどっちに転んでも構わないぞ」

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