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第20話
父が会社の慰安旅行に行く事になりました。
2泊3日。
「行かないで、お父さん」
「そうは行かないよ、会社の行事なんだから」
キャリーケースに荷物を入れる父を僕は咎めました。
「僕を1人にするの?知らないよ、寂しくて別の男の人に抱かれちゃうかも」
「奏斗...」
父がかなり困った顔で手を止めました。
よかった、行かないでくれるかも。
「たったの3日だぞ、お父さんも我慢するから奏斗も我慢しなさい」
僕を見つめたまま、父は諭しますが1日たりと離れたくはない僕です。
「わかった!お父さん、会社にいい人がいるんでしょう!その人とお泊まりだから僕はどうだっていいんだ!」
泣き出してしまった僕を父は怒るでもなく、抱きしめてくれました。
「泣くなよ、奏斗...お父さんだって本当は寂しいんだ」
ぐすん、と父の肩越しに鼻を啜ります。
そうして、僕達はある秘密の手段を考えました。
父たちはマイクロバスで移動します。
僕は後を追うように列車で移動し、父たちの泊まるホテルを前もって、一室、ネットで予約しました。
こうすれば、父は慰安旅行の間も僕達は僕の部屋でイチャイチャする事ができる。
計画は万端に進みました。
先にホテルに着いていた僕はLINEで部屋の番号を父に知らせてあります。
父は宴会している、との返事。
(ご飯は食べたか?)
(まだ。1人で食べるの寂しいからお父さんが来てから食べる)
(宴会で飲みすぎないようにするから、テレビでも見て待ってなさい)
僕は備えつけの浴衣に着替えベッドで寝転びリラックスしながら、会社での宴会中の父と同じホテル内でやり取りしました。
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