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ペットじゃねえよ 11
一通り堪能したのか、互いの唇が触れ合うくらいの距離間で、暗い瞳が俺を見つめた。そして妖艶な吐息とともに言葉を紡ぐ。
「お前は良い目をしているよ、エイシ。……ああ、色じゃなくて、この目つきがな」
眉間に皺を寄せている動物がお気に入りとは、理解できない好みだな。
俺は視線だけをこいつから逸らした。それがどうねじ曲がれば好印象として捉えられる?
爽やかな香りのする息を吹きかけながら、こいつは俺に尋ねた。
「お前は反抗的な態度を改めないけれど、最近こう思うんだ。俺に構われたくてわざとそうしているのか、って……本音はどうなんだ?」
脳ミソが腐ってんのか、こいつは!?
そんなわけがあるか、と。俺が口を開こうとした時……
「うひゃうぅっ!?」
「まあ、どちらでもいいことだな」
俺のものだから、と。
「魔王」は俺の「中」に、遠慮も宣言もなく指先での侵入を開始した。
女の子が相手なら、男が侵入する先は命が生まれ出るアソコしかない。しかしこれが男相手なら、それはどこになるのか。
悲しいことに、その知識だけは事前に持っていた。それはこの身体が有していたわけではなく、前世の俺が興味本位で調べたことによるものだったが。
実際、男の勃起した肉棒が人の肛門へ入るものなのか……それは訓練を積んだプロの方々しか踏み込めない領域だと思っていた。自分の指でさえ恐ろしく感じるというのに、他人の……それも、大柄な男の肉棒を受け入れるなどできるはずもない。
できるはずも、なかったのに……。
俺のそこは、この男の指を二本も食い始めたんだ。
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