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ペットじゃねえよ 13

 痛苦による涙が目尻から伝い落ちる。尻はすっかり開発……じゃない、拡張されたとはいえ。頻繁に摩擦を起こせば痛みの方が勝るというのに。  「魔王」は名実ともにサディスティックだった。 「あまりに痛むようなら回復魔法をかけるけれど、お前は少しくらい痛みが伴う方が燃えるだろうから弱めておいた……どうだ?」 「ふざけん……ああうっ!?」 「いい声」  悪趣味な男だ。こいつは俺の悲鳴が好きらしい。  中身は三十路目前のおっさんだったからな。少年愛とやらに全く興味がないが、今の俺はそんなに美少年か? じゃなきゃ、こんなに遊ばないだろう。  何にせよ、共感はできない。指を挿入させるだけでなく、反対の手で反り勃ち始めた俺の肉棒を宣言なく扱くこいつには。  「んっ、んっ」と、小さく呻く俺は両手を解放されたというのに、全く抵抗できずにいる。媚薬とやらが効いているからか、今までにない感覚が俺の身体を襲い始めたからだ。  頭に靄がかかったようで、まともに働かない。もともと、大して詰まってない脳ミソだけど、抵抗だけは貫いていたのに。  触れられている箇所に熱が上がり、身体が疼いて仕方がなくなる。言いたくもない言葉を口走りそうで怖い。  シーツを強く握ると、「魔王」は耳元で囁いた。 「エイシ。どこが気持ちいい? 素直に言えば、好きなだけお前の望むようにしてやるよ」 「うっ……だれ、が……言う……ひうっ!」  僅かに残る反抗も虚しく、込み上げる射精感は俺にまともな言葉を紡がせない。  中に埋められた指も、ある一点を擦り当てると執拗にそこばかりを責めてくる。普段以上に感じやすくなっている身体は、ベッドの上で芋虫のように這いずり回った。 「ばかっ……そこ、んっ……やめっ……んあぁっ!」 「エイシ。可愛い」 「あぁんっ!」  カリッと耳朶を噛まれると、それが引き金となった俺はこいつの手の中で射精した。  男の中で、一番堪らない瞬間がこれだ。前世でも、今でも、この一回を迎えれば、しばらくの処理は要らなかった。  それがどうして、俺は腰を振っている?

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