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んじゃ、好きにさせてもらおうか 2
その後、マオは話をすると言って俺に自室で待つように言った。俺もまた、マオの口から語られる真実が知りたかった。
あの様子だと、最初からマオは俺が前世での田畑瑛士だということに気づいていた。ならば、俺を競り落としたこと、俺をペットにしたこと、俺を抱いたことにどんな意味があったのか……
それらの説明を求めるのと同時に、不安が募る。もしかしたら、俺を憎んであんなことをしていたのかもしれないからだ。その場合、憎まれる理由に心当たりはないけれど……。
汚れたままでは失礼だろうと、俺は身体を拭いて新しい服に着替えた。いつものフード付きのトレーナーだ。これも、俺の好みだって知ってたから、作ってくれたのかな?
マオの手当てが終わり、腕がついた状態で部屋へ来るまでの時間はさほどかからなかった。「どうせなら、裸で待っていればよかったのに」と、意味不明のことをあいつはほざいた。
ゴブリンがわざわざ二人分のお茶を用意してくれたので、俺はゴブリンにも休むよう伝えた。すると、ゴブリンは俺の膝の上に乗り、そのままコテンと眠りについてしまった。疲れていたんだろう。俺はゴブリンの背中を撫でた。
その様子を眺めながら、マオはどこから話そうかと本題に入ってくれた。
「まず前提として、この世界での時間の流れと前世での時間の流れは異なるものだと思ってくれ。俺が神木真弦として生き、そして死んだのは、もう何百年も前の話だ」
「なんびゃ、く……?」
俺は声がひっくり返った。確かに、こいつは昔の神木の面影がないし、口調も佇まいも全く違う人物に見える。さっきまで、外見が違うのはさておき、人はここまで変わるものなのか? と疑問があったけれど……何百年も経てば口調はおろか、性格だって変わるよな、と。妙に納得してしまった。
マオに先を続けるよう、俺は促した。
「お前はどうやって生まれ変わったか知らないが、俺は前世で親よりも先に死んだことが罪となり、この世界に落とされた。はじめは人間で、さっき消し炭にしてやったアレがそうだ」
「やっぱり、あれはお前だったのか……けど、どうして中身が入れ替わってるんだ?」
「大昔に、俺がこの身を売るから魔力をくれ、と魔物と取り引きをしたんだ。魔物は人の身体を使って悪さをしたかったようだし、俺はこの世界で生きる為に力をつけたかった。その為には手段を選ばなかった。俺はその後も、身体を取っ替え引っ替えしながら生きていって、最終的にこの身体を得た」
めちゃくちゃ美形の、とんでもボディになってるけどな。
こういうのがこいつの趣味なのか? という疑問が、言葉にせずとも顔に出ていたらしい。違う、と額を小突かれた。くそ……相変わらず、俺の額をイジメやがって。
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