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【2020/05 教育】⑨ (*)

部屋のドアを2回ノックすると、髪の毛を真っ白く脱色し後ろに撫で付けた黒に臙脂とグレーのレジメンタルストライプのジャケットに黒いシャツ、白いネクタイをゆるく結い、黒のスキニーにラバーソールのパンクスっぽい男が出迎えた。黒縁メガネからこちらを覗く目は鋭い。 「急にオヤジの機嫌が良くなったと思ったらやっぱりか…あんたいつまでオヤジのオンナやってんだよ…もう来ねえかと思ったわ」 「はは、残念でした」 この男、見た目がアレだがバンドマンではない。徳永はおれの5つ下で、征谷の組のフロント企業の建前上の社長、指定暴力団の二次団体の幹部だ。ここに来た当初は部屋住みで躾の真っ最中のクソガキだった。 「おれが来ない間、たっぷり可愛がってもらえただろ?よかったな」 肩に載せた手を振り払って顔を寄せてくる。 「あんたみたいなことはされてない、変な言い方すんな」 隙を突いてうなじの特徴的な大きめの黒子にキスしたら普通に後頭部を引っ叩かれた。 「あ~!もう!おれをおちょくってないでさっさとオヤジんとこ早く行きなさいよ!」 「てかなんでわざわざ部屋ン中いるの、とうとうそういう趣味になった?」 ふうっと溜息をついて徳永は小さく声を潜めて言った。 「椅子取りゲームで物騒なんですよ」 手でシッシッと掃くように追っ払われ、奥の天蓋付きのキングサイズのベッドがある部屋に向かう。 ベッドの横のソファで征谷は本を読んでいた。 征谷は基本的には穏やかで優しい。プレイ中以外では非道なことはされたことがない。 こちらに気づき、 読んでいた本にスピンを挟んで閉じて、手招きする。招かれるままに近づくと、ローブの帯が引いて解かれた。袖を引くとローブは生地の重みで惰性がついて床に落ちた。 「首の痕、まだ新しいな」 「昨日です」 こういうときは下手に言い訳しないのが正しい。 「二週間シカトしといて、忙しいのかと思や他の男咥え込んでるわ、いきなり押しかけてくるわ、相変わらずだな」 脚の間の床を指差して座るよう示した。 床に手をついて正座すると、征谷が組んでいた脚を解いて下ろし前屈みになり、両手で頬を撫でて、じっと見つめてくる。 「顔、変わってないよな」 「最近は何もしてないです」 指を耳元、首筋、鎖骨と滑らせて、乳頭を貫通するカフスバーベルを下から弾く。 「それ、お気に召しました?」 「なんで断りもなく開けるんだ、前回来た時正直引いたぞ」 苦笑いしながら指先で乳頭を貫通したフープを揺らす。 「でも、おれが痛がるのかわいいって言って何回も触ってたでしょ」 「自覚あると思うけどさ、お前、屈辱とか痛み感じてるとき最高にいい顔するんだよ」 そのまま貫通した部分を圧迫するように乳頭を指で押し潰す。薄く皮膚が出来かけているホール内部に金属がめり込みジリジリ痛む。体に脂汗が滲むのがわかる。 同時に脳の奥が痺れるような感覚が生じ、それが腹の奥や性器に直接響き、どうしようもなく昂る。 「なあ、まだ二週間シカトしたこと、いきなり押しかけてきたこと、どっちもちゃんとお詫びできてないよな、玲」 強弱をつけて捏ね回すようにされて、痛みと快感が繰り返し押し寄せる。 自分で、自身の呼吸が荒くなり呼気が熱くなっていくのを感じる。 吐息に声が紛れそうになる。 「カネ積んで契約してるってのにシカトするわ、厭なことあると八つ当たりに他の男とセックスするわ、自分がセックスしたいときは一方的に来るんだもんなあ、なんで何度躾けても直らねえんだよクズ」 叱りつけながら股の間のものを足の先で扱くように弄ばれて、完全にスイッチが入る。

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