20 / 440
【2020/05 教育】⑪ (*)
その瞬間、左の頬を引っ叩かれて、口を掌で塞がれた。
「うるせえよ、お前は黙って種付されてメスやってりゃいいんだよ」
情欲に濡れた目で見下され、期待通り罵られ、言語化できない快感が全身を支配し、腹の奥を動かす。中の粘膜が密着して畝る。
徳永は拘束具の金具を乱暴に外すと、おれの脚を開かせて折り曲げ、更に奥を突いた。
届いてはいけないところにまで入ってしまいそうな感覚と、内臓を掻き出すような腹の中のぬめり気を帯びた音が恐怖心と色欲を掻き立てる。
「やだ、それ以上だめ」
全身を戦慄かせても見透かされている。
「嘘付け、興奮してるくせに」
中の音が外まで聞こえる気がする。実際聞こえているのかもしれない。
激しく腰を打ち付けるようにして何度も抜き差しされて過敏になった内部が徳永に吸い付いて締付ける。
徳永もおれが一番弱いポイントに狙いをつけて、速度を上げて追い込んでくる。
「ふみ、いく、だめ、止めて」
「だめじゃねえ、いけ」
もう自分の意思ではどうにもならない。
絶頂が近づいて他の感覚が遠のき、骨盤内部と性器にしか意識がいかない。
はしたなく腰を振って声を上げるしかできない。
徳永も腰を突き出して、声を上げて、繰り返し全身震わせ、おれの体内に精液を注ぐ。
擦れた粘膜に強い酸性の粘り気を帯びた熱い体液が放たれ、ジンと沁みる。
その痛みがおれに激しい絶頂を齎し、おかわり欲しがらせる。
うわ言のように何度も名前を呼んで、手錠に繋がれたままの両手で自分の性器の亀頭と裏筋の境を扱く。
前立腺で燻っていた熱帯びた半透明の液体が溢れ出る。
「ふみ、抜かないで、もっとして」
「ふざけんなよ淫乱野郎」
ほら、おれの気質知っててそういうこと言う。
「クソが、一晩中ぶち犯してやろうか」
耳元で囁きながら精液でぬめる内部を改めて深く探られ、快感の波が治まりきらないうちに再び高まっていく。
「お前ら、本っ当にかわいいなぁ、何も変わってないよ」
ファインダー越しにこちらのまぐわいを愉しみながら、征谷が笑った。
あぁ、カメラなんかじゃなくて、おれがめちゃくちゃに犯されて快楽で前後不覚になってる間に、直人さんがチャカで頭ふっ飛ばしてくれたらいいのに。
ハルくんに殺してくれって頼んで持たせたって、泣いちゃってきっと一発もまともに撃てないんだもの。
もう何度いかされたのかわからない。
どのくらい時間が経ったのかも曖昧だ。
途中空打ち状態になって失禁して辱める言葉を浴びせられたり、その後もドライで連続でいかされて気を失いそうになる度に罵られながら強く首輪を引いて乱暴に起こされ、何度も突き入れ過敏な箇所を執拗に掻き回された。
体中のあらゆる箇所を隈なく舐められ、首筋やら腕や腿の膚の薄いところを強く吸われたり、乳頭や性器も歯を立てて咬まれたり、尻を叩かれたりで迂闊に見せられない痕が更に増えた。
もうあちこち痙攣したり攣ったりしたまま脱力し切ってて自力では動けないし、意識も朦朧とした状態だった。
ベッドにおれを押し付けるようにして犯していた徳永も限界がきて、全身を震わせながら息が整わないままぐったりおれに凭れかかっていた。
刺青の蛇が這う胸から拍動が伝わり、首筋からは血の通う音がする。脇腹から下腹部にいる虎も生きているかのように蠢いていた。
征谷がカメラを置いて、徳永を引き剥がして転がし、おれの拘束具を全て外した。
傍らに座り、おれを抱き寄せて撮影した内容を見せる。
「ほら、お前はこういうことされて悦んじゃう人間で、おれは見るからに痛々しいお前がそうやって悦んでるのがたまらなく興奮すっからカネ積んでんだよ。おれがお前来るまでどれだけ堪えたと思う」
謝らないといけないのはわかるのにうまく言葉が出ない。
それでも肯首すると征谷は満足げに頭を撫でた。
「じゃあ、次はおれの番だ」
無理だ。
横に首を振ると喉を掴んで軽く締められた。
「やってんの撮られてそれで終わりなわけないだろ?こいつとお前の飼い主はおれだよ、玲、忘れるな」
ともだちにシェアしよう!