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【1993/12 Can you kill me】⑨ (*)(●)

「後でこれ全部吐き出したい」 体から余計なものが吐き出される快楽がほしい。でも無理だよなあ、体にダメージ負ってる話したら加減されちゃう気がする、適当に誤魔化せばよかったな。 せっかく温めてもらってきたであろうに、おれの話を聞いてるうちぬるくなってしまった惣菜をつまみながら、直人さんはおにぎりを食べているのを眺めながら思った。 「食べ終わったら続きします?」 「この時間だしなあ、食ったら眠くなるかもしれないな。物足りないか」 肯首して「さっき直人さんがコンビニ出てる間、色々考えちゃって、なんか」と呟く。 「じゃあもう少し付き合うか」 直人さんは食べ終わった包みや空き容器をポリ袋に捨てて口を縛ってゴミ箱の脇に置くと、その手をベッドのヘッドボードに手をかけて、上から呼びかける。 「玲、起きてさっきの場所に戻りなさい」 布団から抜け出し、ベッド手前のスペースに向かい床に膝をついて座る。直人さんは服を脱いで畳み、椅子の背に掛けた。 「さっき鼻血出したときもそうだけど、お前腹のもの出されたときもめちゃくちゃ興奮してただろ。で、説明聞いてて思ったんだが、吐くのも好きなんだろ」 「はは、バレますよねやっぱり」 おれの目の前に立ちはだかると、口元にまだ柔らかい暗褐色のだらりとしたものを擦り付けて口を開けるよう促す。促されるままに口に含み、張り出した先端のエラを舌で擽ると見る間に屹立し、質量と重みを増した。 それに手を添えようとすると軽く叩かれ、両手を強く握って拘束される。手の自由を奪われ、バランスを上手く取れない状態のまま前屈みで果実のような膨らみから先端まで繰り返し丹念に舐りまわす。 「玲、ちゃんと吐かせてやるよ」 そう言うと、おれの右の手を握っていた左の手を開放し、その手で頭部を引き寄せた。硬い凶器と化したものが一気に押し込まれ、喉奥を突かれた衝撃で息が止まりそうになる。思わず右の手で直人さんの腿をを掴み、爪を立てた。 「爪を立てた分も、後できっちりお仕置きするからな」 容赦なく俺の頭部を揺すってスライドさせ、何度も喉奥に打ち付ける。徐々に鉄砧に抉じ開けられるように咽頭が開かれ、嘔吐中枢を強く刺激した。口角からは抜き差しの度に唾液がぽたぽたと零れ、眼に自然と涙が滲んでくる。 込み上げるものを堪えてていると、内臓を押し上げるような強い蹴りが腹に飛んだ。耐えきれずおれは先程口にしたものを一気に嘔吐した。腹を押さえて蹲っていると髪の毛を掴んで引き起こされる。 直人さんは、さっきの説明でおれの扱いを変えるつもりはないらしい。容赦はしなかった。うれしくて胸が騒ぐ。 「ちゃんと出せたな、満足したか」 頷くと満足げに笑い、ベッドからクッションを一つ取って放り、今度は床に仰向けに寝るよう指示する。言われる通り仰向けに寝転がると、おれの頭の方に回り込んで膝をついた。 そのまま腕を伸ばして前につき、空いた手でおれの顎を引き寄せ、自分の方を向かせる。目の前には肉の柱がある。 「爪を立てたお仕置きだよ、もっと奥まで味わえるようになるまで我慢しなさい」 そう言うと、強引に口を抉じ開け、逃げないように顎を押さえたまま上から体重をかけ、再び喉奥まで突き入れた。先程より深いところまで捩じ込まれ、気道が狭まり息ができない。喉の方からじわりと血の味が広がった。

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