308 / 440

【2020/05 不時着】⑫ (*)

照明を落とした薄闇の部屋の中で、先にベッドに腰を下ろし横たわったつばさが、両腕を伸ばして招く。その傍らに手をつき、上から覆い被さるようにして抱きながら壁沿いに転がった。横臥して抱き合って口づけを交わし、冷えた膚の上で硬く尖る胸の円な脹みを互いに指で探り合った。 唇を寄せ耳殻を舌先でなぞると、つばさはおれの体にしがみついて耳元で吐息を漏らした。首筋やデコルテに舌を這わせ、時折痕がつかない程度に啄み、薄い皮膚を吸い、肉の束を甘噛みした。その間ずっと、細い指先がおれの背中から脇を、脇腹から下腹部、内腿を這い回っていた。 そして発情して息を荒くするおれの肩に手を添えて一旦体を起こすよう促すと、起き上がって体を返し、おれの足のほうに顔を向けておれの顔を跨ぎ、うつ伏せて尻を上げ会陰から後孔の窄まりを晒した。さっきまでおれのものを奥深くまで迎え入れ味わっていたそこはまだ閉じきらずひくひくと期待に震えている。 そのまま頭を下げたつばさの唇が、舌が、腹につくほど硬く張り詰めたものを愛おしげに何度も行き来する。存分に愛撫してから手でその肉幹を起こし、赤らむ先端を口いっぱいに含み舌を絡めて舐め回した。たまらず声を漏らすと、つばさが「ふふ、」と小さく笑い「フジカワさん、かわいい」と呟いた。 片肘を立て上半身の上半分を起こし、左の手でつばさの薄い尻の肉を開いて、その奥の紫ががった蕾に唇を寄せた。閉じきらず縦に開き、薄紅色の内部をちらつかせるそこに舌を差し入れて埋める。内側から押し拡げるように円を描いたり、前後させて襞を擽るとつばさが膝を震わせて甘い声で鳴く。 脚の間であまり大きくはない可憐な花芯が張りを増し、健気に震えながら蜜を零す。おれの胸元に滴って、胸の筋肉の傾斜に沿ってデコルテの方に流れていく。手を添えて先端をこちらに寄せて口に含んで転がし、そっと吸い上げてその蜜を味わい、つばさもおれの先走りを吸って喉を鳴らした。 柔らかくほぐれ、再び受け入れるべく開いた蕾にまた二本指を深く差し入れて中で拡げ、中で過敏さを増す脹らみを執拗に指の腹で擦って、欲しがって焦れるそこを苛む。時折指を締め付け、ぷるぷると痙攣させて「早くほしい」と懇願しているのが伝わってくる。 つばさはもう、おれのものを丁寧に愛撫する余裕を失っていて、震える手でおれのものを扱きながらおれの腿に顔を預けている。 「つばさ、自分で胸、いじって」 指を抜いて唇を再び蕾に寄せ、舌を差し入れて深く口付けた。ガクガクと膝が振れ、キスするように蕾が窄まる。甘く鳴いて、喘いでまともに答えられないつばさの花芯を指に挟み、扱きながら更に責め立てる。 つばさは言われたとおり、腕を内に折り曲げ胸の前で交差し、手首を返して自分の胸の小ぶりな脹らみを摘み、指先で捏ねる。蕾が益々愛らしく震え、収縮を繰り返しておれの舌先に吸い付く。 「つばさ、どうしたい?おれにどうしてほしい?言って?」 問い質すと、つばさは体を起こして振り返ると、矢も盾もたまらないといった様子でおれに抱きついた。 「やだ、意地悪しないで、もうだめ、ほしい」 胸元にしがみつくつばさの頭を撫でて、額にキスした。発情しきった潤んだ目で、首筋や耳まで熱っぽくしておれに訴えかける。 「さっきみたいに、奥までいっぱいになりたい、お願い」 鼻先にキスして、おれからも要求する。 「じゃあ、もっと奥まで入れていい?つばさの、もっと奥」 「もっと、奥って?」 つばさは蕩けた表情のまま不思議そうに、小首を傾げた。 「あるんだよ、誰にも挿れさせたことないでしょ?だめ?」 暫く間があったものの、つばさは小さな声で答えた。 「ちょっとこわいけど、フジカワさんだったら、いいよ」

ともだちにシェアしよう!