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第24話

 ティッシュで素早く股間の後始末をする。俺は大事な息子を衣服の中に格納し、ジッパーを上げ、冷静さを取り戻して先輩の様子を伺った。  先輩は俺の横で手についた精液をティッシュで拭っている。その横顔は意外にも落ち着いているように見えた。  よし、引いてない。  多少恥ずかしそうだけど、嫌がってもいない。  大丈夫だ。  これなら行けるかもしれない。  この先の展開を思い描いて俺の口元はにやけた。  さっきから先輩は上半身だけ衣服をつけている状態で、素っ裸より卑猥な眺めなのだ。  先輩のおかげで俺はチラリズムに目覚めている。 「今度は先輩の番ですよ」  足の間をかい潜って、俺のずうずうしい手は先輩の股間に到達した。 「あっ」  ビクッと身体を縮めるので、嫌なのではないかと気になる。 「利休先輩。怯えてますか」 「少し……でも続けて」 「大丈夫ですか」 「うん、那須くんなら構わない。僕、那須くんになら触ってもらいたいから……。お願い」  そしてウルウルとした瞳で俺を見た。無意識に俺を悩殺するエンジェルアイズ。 「お願いされましたっ」  俺は興奮気味に請け負った。  股間の中心に息づくかわいらしいチンポ。  俺の手にすっぽり入るサイズだ。 「あ…ん」  遠慮のない俺の愛撫に先輩の身体が伸びあがる。 「那須くんの手……大きいね」 「嫌じゃないですか」 「ううん、うれしいよ。触ってくれて……、とても、うれしい……ん、あん……」  声がねっとりと甘く乱れる。  俺は感動していた。  先輩、こんな声が出せるんだ。  そして、ソファーを背にして妖しくくねらす白い姿態は、俺の眼を釘付けにしていた。 「先輩、無茶苦茶色っぽい」 「え」  自覚はないのだろう。だが十分に魅力的だ。  ぽっちゃりとした質感の腿に手のひらをすべらせ、喉にたまった熱いものを飲み下す。 「エロいっす。最高っす」  俺は、手にした先輩のかわいらしい性器に熱く狂おしい作為を加えた。先端の溝を指先で突っつく。 「ひゃっ」  反応のいい先輩の口から変な声が出た。 「ま、待って、那須くん。………ん、んんっ」 「気持ちいいでしょ。次はこれ」  激しく擦り立てる俺の施しに、辛そうで、そのくせ気持ちよさそうな様子で、先輩は唇を噛んでいる。 「………」  きゅっと眼を閉じて、顎を浮かせて、眉根を寄せて、欲望に溺れてくれている。  俺の手の動きに翻弄されてくれている。 「先輩。感じてますか」 「あ、那須くん、那須くん……」  唇が開き甘い声が俺の名を何度も呼ぶ。  素直な身体が快楽を示して細かく震えている。 「那須くん好き……、好き」  手が俺の腕を強く掴んで引いた。  求められている。愛されている。そう思うととてつもなくうれしくなる。 「俺も好きです。利休先輩かわいくて……すげえ好き。先輩、全部俺のものにしたい。俺のものになって」  懇願に近い囁きに先輩は眼を開けた。そしてあっさりと言ってくれる。 「もう、僕は君のものだよ」  そしてさらに強烈な台詞を吐いてくれたのだ。 「だから好きにして」  委ねられて、最上級の興奮に俺は唾を飲み込む。 「……利休先輩。ありがとうございます」  もはや俺の手の動きはマッハの速度だ。  気持ちよくしたいという思いが熱となって、先輩のチンポを必死に擦り上げる。 「あ、そんな……。そんな凄いの……僕、もうっ。あああ!」  先輩の身体は俺の腕の中でビクビクと痙攣した。 「イっちゃうぅ……」  艶やかな声を自分の中に取り込みたくて、俺は先輩の唇を強引にふさぐ。  戸惑う舌を絡め取りながら手を激しく動かした。  上も下も濃厚に触れ合ったまま俺たちは幸せな気分に浸る。 「………っ」  先輩のイク声は俺の口の中に淫らに反響した。

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