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第47話

 興奮が過ぎ二人並んでソファーに座る。ブランケットを素肌の肩から羽織らせて、さらに、俺という暑苦しい腕で先輩を拘束した。 「好きです。どうしたらいいか分かんねぇくらい好きです」  好きとか、愛してるとか、そういう言葉以上のなにかに俺は突き動かされている。 「那須くん。僕も那須くんが大好きだよ。いつも一緒にいたいよ……。僕を…放さないでね。お願いだよ」  かわいらしい哀願に俺の胸はジワリと熱くなる。  しかし先輩は、先々のことを見据えて不安を感じていたのだ。 「もしも僕がもっと背が伸びて、身体も痩せて……今みたいに小さくなくなって……。それでもしかしたら腕っぷしも強くなっちゃったりして………。もしそうなったら、那須くんは僕を嫌いになっちゃうかな。飽きちゃうかな。離れていっちゃうかな。そんなの寂しすぎて耐えられないや」 「嫌いになる訳ないじゃないですか」 「でも……」 「俺だってもっと成長して身長三メートル位になったとしても先輩は俺を好きでいてくれるでしょ」 「なに、その例え」  思わずといったように笑みが零れる。 「那須くんたまに変なこと言うね。おっかしいったら……」  良かった。笑ってくれた。  安堵する俺に向けて先輩は視線をまっすぐ合わせて来る。 「ねえ、那須くん。僕には那須くんが必要なんだよ。これからもずっと必要なんだ……。これから僕がどんなに強くなれたとしても、一人で大丈夫なくらいになったとしても、僕は君を好きだから、君のことを絶対に放さないよ」  そこまで熱烈なことを言われるとは思わなかった。  この喜びをどう表現したらいいのだろう。 「感動しました。ありがとうございます」  俺は、愛しい天使の顔にせっかちなキスを浴びせる。 「俺も先輩を放しませんよ」  力強い声に安心したのか、先輩はふっと息を吐くと、自分から俺の唇を奪ってくれた。
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