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見たくなかった
「俺、初めて好きな子から好きって返してもらえた!」
「…は?」
初めてって…こいつらの関係って?
知りたいような知りたくないような。面倒な関係なのは確かだな。
「嬉しかったぁ…気分がいいから今日は俺が奢ってやる!」
まぁ、いいか。それには乗らせてもらう!
「よし来た、カツサンド!」
「任せとけ!」
競争率高いカツサンドを手に出来るかはお前次第だけどな。買えない可能性を視野に入れておかないと。だが、授業終了と共に風のように出ていった彼の手にはカツサンドがしっかり掴まれていた。
「うわっ、まじか。売り切れで買えないこと予想してた」
「はっ!いまの俺は気分いいからな。俺の本気、舐めてもらっちゃ困るね。まぁ、これでも食え」
真中からカツサンドを受け取る。
「良かったな」
「ん?あぁ、さんきゅ。照れるな、お前から改めて言われると。堂々と言えるようになったら紹介するよ」
「期待せず待ってる」
とは言ったけど、紹介できる日が遠からず来るだろうと思ってる。
こいつが本気で好きだと一直線になれたんだから。友達になって初めて見た気がするんだ、生き生きしてる真中なんてさ。愛の力は偉大って誰かが言ったけど納得だな。
その後も俺は真中の恋人自慢や、恋人ノロケを永遠と聞かされたのだった。
ゲッソリってたぶん、こういう時のこと言うんじゃね…あいつ、すげぇよ、どんだけポンポン惚気やら何やら出てくるわけ…あー、変に洗脳されて頭おかしくなるレベルに聞かされた…疲れた。幸せなことは結構ですけどー?
…今日、三春ヒマかな。惚気ばっか聞かしやがってー…羨ましくなってきたとかそんなんじゃ…会いたい。腕時計を確認し、小学校に向かう。小学校って早いからもう帰ってるかもな…でも、ちょっとでも見てみたいと思った。
三春の通う小学校の見えるところに隠れるようにして待つことにした。不審者だと思われて通報されたら敵わないからな。
ちらほらだが、学校から出てくる生徒がいるみたいだった。
三春は…もう帰ったか?
「ねぇねぇ、今度、真中の家で勉強会しようよ!」
「賛成〜!」
話し声にハッとして声の方を見る。三春だ。まだ帰ってなかったみたいだ。まわりに女の子2人、男子が2人…三春って男女の仲良しグループにいんの?なんか、意外…。
俺なんて女子と仲良くなる機会なんて無かったけど。
しばらく見ていたが女の子2人が両側から腕を組んだりと見ていられない場面ばかりで耐えられなくて声をかけるのもやめて走って帰ってしまったのだ。
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