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言えない
「うっ…うぅ…うぅぅ〜…あー!!」
モヤモヤが消えない!!三春って学校でどんなだ!?女の子にチヤホヤされるくらいモテてんの!?なにそれ、初知り…俺なんか自信なくす〜三春から迫ってきたから俺のことはちゃんと好きなんだよな?
「あー…なにこれ、知らない」
枕に拳を打ち込み、モヤモヤを消そうとするが効果的とは言えなかった。
「三春の…ばか」
涙が出てきた。情けねぇ、あれぐらいなんてことないだろ。
「ただいま〜」
ん?兄貴、今日もこっち帰ってきたのか。
「おーい、真琴」
うるさい、静かにしろ。
「真琴!客きてる!」
「え?」
まさか!
飛び起きて玄関まで急ぐ。自信はなかったがやはり予想していた人だ。
「三春…」
「真琴さん、いきなり来てごめんなさい。だけど、会いたくて…ダメでした?」
うッ!やっぱ、かわいい…!
あー、俺が心狭いんかな…わざわざ言うこともないよな。空気悪くして気まずくなるのも嫌だしな。うん。
「全然。上がれよ。俺の部屋2階の奥な。飲み物持っていくから先行ってて」
「はい」
三春が丁寧に靴を揃えて上がり兄貴にお辞儀をして挨拶する所作を見て感心する。
しっかりしてるよなぁ、まじで良い子って感じ。俺の子供時代こんなだったか?もっとひねくれてたよな。
冷蔵庫を開けて中を確認する。
子供が飲めるやつ…オレンジジュース…しかねぇな。まぁ、オレンジジュース美味しいもんな。2つのコップにオレンジジュースを注ぐ。
「真琴、そんなん俺が持っていったのに」
「たしかに。兄貴いつもいるわけじゃないし、便利さ忘れてたわ」
「言うねぇ…」
「ごめんって。兄貴、今日ごはん作ってくれんの?」
「んー、作るよ」
「ラッキー」
兄貴の作るごはん上手いんだよな。料理屋みたいに本格的だし。
階段を上がって自室のドアを開ける。
「オレンジジュースしかなかったけど、良かった?」
「オレンジジュース好きですよ、僕。ありがとうございます」
三春がお盆を取りテーブルまで持って行ってくれる。
「あのさ…今日って…」
「なんですか?」
「あ…何でもない」
普段と変わらないのかも。面倒なこと言って重いって言われるのは、嫌だな。
「そう、ですか?」
不思議そうにする三春に悪くて1人気まずくなってしまう。
「そう!そういえば、今日、俺の学校で似たような奴いてさ、中学生と付き合ってんだと。三春の1つ上っぽい。機会があれば会おうって言われたんだけど…」
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