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第4話
2日目。
固い木の椅子に座ってただただ悠仁を待った。
基本、待つのは好きじゃない。
来なかった時に落ちる自分が嫌だから。
でも今は違う。
それは待ってる相手が悠仁だからかもしれない。
来ない確率は極めて高いけど
それでも待つのが苦にはならない。
本当に都合のいい理屈だ。
この日も悠仁は来なかった。
✱✱✱✱✱
そして最終日。
少し早めにホテルを出る。
海風が心地良くて立ち止まって海を眺める。
『この景色、最高だな。』
だからここで永遠を誓いたいんだと悠仁は言った。
そうできたらいいなってあの時心からそう思った。
現実には無理だって解ってる。
形には残せない絵空事だって。
俺達は男同志で『結婚』なんて心から願っても法律が許してくれない。
でも今はその絵空事にさえ縋りたい。
悠仁と離れて無頓着な僕は物凄く欲張りになった。
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