39 / 566
火食鳥(ひくいどり)4 side蓮
靴を脱ぐのももどかしく、縺れ合うようにして小さなワンルームにポツンと置かれたベッドへと倒れ込んだ。
「蓮くんっ…」
「楓っ…」
一刻も早く、その甘美な身体にむしゃぶりつきたくて。
シャツを力任せに引き裂く。
「あぁっ…」
その下から現れた、大理石のような真っ白な肌に唇を寄せると、楓が初めて聞く甘い声をあげる。
「あ、あ、ぁっ…」
そのまま、鎖骨から胸にかけて何度もキスを落として。
ぷっくりと硬くなった、胸の小さな尖りに舌を這わせれば。
「あぁっ…やぁっ…」
一際、大きく震えた。
その尖りを軽く噛んだり、舌先で転がしたりしてやると、細い腕が俺の頭を掻き抱く。
「蓮くんっ…ぁっ…れ、んっ…」
甘い吐息の狭間に名前を呼ばれるたび、震えるほどの快感が生まれて。
のめり込むように
目の前の男に堕ちていく
「は、ぁぁっ…」
俺が触れた部分が、桜の花が綻ぶように薄紅色に染まって。
それがまるで、この男が少しずつ俺のものになっていくようで。
ひどく自尊心をくすぐられる。
「楓…」
呼べば、その潤んだ瞳に俺だけを写して。
「…蓮くん…」
俺だけに、手を伸ばしてくる。
その手を引き寄せて、強く腕の中に囲い込むと、また甘い吐息を漏らした。
再び激しいキスを交わしながら、腰骨に沿って手を滑らせて。
硬く閉じた足の間に辿り着くと、そこにはジーンズ越しにでもわかるほどに硬くなったモノ。
それに触れた瞬間、頭の中でなにかがぶちんと焼き切れるような感覚がして。
剥ぎ取るようにして、ジーンズとアンダーパンツを一気に脱がせ。
飛び出した、もう硬く勃ち上がったモノを握った。
「やっ…」
慌てて膝を閉じようとするのを、体を足の間に捩じ込んでそれを阻止し、握り込んだ熱い肉棒を強めに擦る。
「あぁっ…」
楓の背中が、弓形に反って。
手のなかの滾りがぐんと大きく、硬さを増して。
薄紅色だった肌が、徐々に紅に染まっていく。
その様が、今度は大輪の牡丹の花が咲き開くように美しくて。
俺の手で
もっともっと美しく咲き誇らせたいと
初めて覚える欲が、沸き上がる。
「楓…イイ…?」
ぎゅっと眉間に皺を寄せて閉じられた目蓋に優しく口付け、耳元でそう囁くと。
震えながら開いた奥から現れる、水を湛えて揺れる瞳。
静謐な泉の
凪いだ水面のようなその眼差しの
奥に微かに見え隠れする
欲情の小さな焔
その焔が、俺を少しずつ焼き付くしていく
「…ん…」
恥ずかしそうに目元を赤く染めながらも、頷いて。
両手を伸ばして、俺に強くしがみついた。
「蓮くん…もっと…」
耳元で誘う艶かしい声に。
ひっきりなしに漏れ出る、甘い吐息に。
脳みそを痺れさせる、甘い香りに。
もう何も考えられなくなって。
その匂いを醸し出す白い首筋を何度も舐めながら、手のなかの熱い塊を追い詰めていく。
「あぁ…ぁ…蓮くんっ…もうっ…」
ガクガクと楓が小さく震えて、限界を告げた。
「ああ…いいよ…」
棹を擦りながら、尖端を親指で強く刺激してやれば。
「あぁーっ…」
ぞくりと震えるほど、妖艶な声をあげて。
手の中に、楓の熱い欲が広がった。
ともだちにシェアしよう!