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火食鳥(ひくいどり)5 side蓮
欲を纏ったままの手を滑らせて。
双丘の間を割って、その小さな入り口へとたどり着くと。
ぐちゅりと、いやらしい音が聞こえた。
そこはもう、太ももまでびしょびしょに濡れていた。
「…っ…」
楓が、ぎゅっと唇を噛み締める。
男なら濡れるはずのない場所
それこそがΩの証だから
「…楓…」
真っ白になるほどに硬く噛み締めた唇に、俺はそっと自分のそれを重ねる。
何度も、何度も。
触れるだけのキスを繰り返していると、やがておずおずと唇が開いて。
その中へ舌を差し入れた。
絡めた舌は、ほんの少しだけ鉄の味がした。
キスを続けながら、入り口の周りを指先で撫でると、ぴくんと震える。
それを宥めるつもりで、ゆっくりと周りを何度か撫でて。
少し力を入れて、指先をその中に押し込んだ。
「んんっ…!」
楓のなかは、熱くて絡み付いてきて、俺の指をきつく咥え込む。
まだ硬い内壁を押し広げるように、ゆっくりと進めると。
熱いそこは自ら蠢いて、奥へと誘い込んで。
愛液を、溢れさせる。
かき混ぜるように指を動かせば、しんと静まり返った部屋に、ぐちゅりぐちゅりと卑猥な音が響き渡って。
辛うじて繋ぎ止めている理性の糸が
焼き切れそうになる
今すぐにでも自分の熱く滾るモノをぶちこみたい欲望を、辛うじて残る理性で必死に押し留めながら、うねる内壁を拡張するように擦ると。
「あぁぁっ…やぁっ…」
突然、楓が一際甘い声で啼いて。
体が打ち上げられた魚のように大きく跳ねた。
「楓…ここ、いいの…?」
そこを何度も刺激してやると。
「んっ…ぁぁっ…そこ、ダメぇっ…」
口ではそんなことを言いながら、体はもっととでも言うように、楓の中は俺の指をきつく咥え込む。
「嘘。ホントはもっと欲しいんだろ…?」
普段より、低めの声で耳元で囁いてやると。
虚ろに宙を彷徨っていた視線が、ゆっくりと俺へと向けられた。
「…ん…もっと、欲しい…」
瞬間。
その瞳の中の小さな焔が、一気に業火となったのが見えた。
「っ…!」
獰猛な衝動が、体の奥から一気に噴き出して。
あっという間に理性を押し流す。
それに抗う術なんてなくて。
俺は指を乱暴に引き抜いて、引きちぎるようにして服を脱ぎ。
楓の両足を抱えあげた。
「あっ…蓮くんっ…」
入り口に尖端を当てると、一瞬怯えたように楓は腰を引いたけど。
それを労ることも出来ずに、抱えた足を強く自分の方に引き寄せ。
体重をかけて、もう痛いほどに膨張した自分のモノを一気に中へと押し込んだ。
「やぁぁぁっ…!」
空間を切り裂く、悲鳴のような矯声が、あがった。
火傷しそうに熱いそこは、侵入者を拒むみたいに強く締め付けてきて。
今にも爆ぜそうになるのを、奥歯を噛み締めて堪える。
「やっ…れん…くんっ…」
苦痛に耐えるような、ぎゅっと寄せられた眉を見ながら。
俺は本能に引き摺られるように、腰を引いて。
再び、一気に突き刺した。
「あぁぁぁっ……!」
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