じっくりと時間をかけて、その身体を拓いていった。 その間、何度か絶頂を迎えた楓は、もう息も絶え絶えで。 だらりと脱力した四肢を、真っ白なシーツの上に投げ出したそんな姿さえ、やはりこの世の何よりも美しく愛おしかった。 「…れん、くん…もう…」 天使の手が、俺を同じ快楽の泉へと誘う。 「ああ…」 戸惑うことなくその手を取って。 その熱い腕の中に身を委ねる。 もう痛いほどに張り詰めたモノを、俺を待ちわびてヒクヒクと蠢くソコに押し当てて。 でも、すぐには押し込まずに尖端で入り口を何度かつつくと。 「やっ…早くっ…」 楓の方から待ちきれないとばかりにお尻を突き出してきた。 「早く、きてっ…」 たとえヒートの熱に侵されていなくても 俺が求めるのと同じくらいに いや、それよりももっと強く 俺を求めて欲しい そんな感情、初めて知った 俺は自分がもっと冷静で 自己統制に優れた人間だと思っていたけれど 楓の前ではまるで子どものようにワガママで 欲望に忠実で でも そんな自分を愛おしくさえ思う 「…愛してるよ…」 「んんんっ…」 ゆっくりと入っていくと。 熱い粘膜が蠢いて絡み付いてきて。 痺れるような快感が、全身を駆け抜けていく。 すくにでも激しく突き上げたいのを、なんとか堪えて。 少しずつ体重をかけながら、最奥へ辿り着く。 じっくりと、その熱を感じながら 「あっ…ふ…ぅっ…」 そのまま優しく揺らすと、楓の表情が蕩けた。 「れんっ…もっとっ…」 「ダメ。楓んなか、ゆっくり味わいたい」 両足を抱え、ゆっくりと腰をグラインドさせると。 身悶えるようにぶるりと震えて、自ら腰を揺らす。 「それ…すげーエロい」 「やっ、だ…もうっ…」 「もっと見せて…？」 「…むり…」 「見せてよ。俺の知らない楓、全部見たい」 ヒートの熱に焼き尽くされた 妖艶な姿 欲情と理性の狭間で 羞恥に悶えながらも 蕾が少しずつ花開くように乱れていく蠱惑的な姿 見られるのは、俺だけ 俺だけのものだ とろりと。 蜜が溢れたのを感じた。 腰を少し引いて、勢いをつけて最奥を突くと。 俺を飲み込んでいる場所が、ぐちゅりと卑猥な音を立てる。 「あぁっ…」 抜き差しを繰り返すたび、俺を包む内壁がぎゅうっと締まって。 また溢れた蜜が、俺と楓の肌を濡らした。 「ちょっ…力、抜いてっ…」 「わ、かんなっ…」 追い詰めているつもりなのに いつの間にか俺の方が追い詰められていく 「あっ…蓮くんっ…や、ぁっ…」 「…っ…く…」 気が付けば、ベッドが軋むほどに激しく腰を打ち付けていた。 「だ…めっ…も、イッちゃうっ…」 仰け反った拍子に顕になった白い喉に、本能的に噛みつく。 「あぁぁーっ…」 瞬間、搾り取るように強く締められて。 一瞬 視界がホワイトアウトした 「あっ…ぁ…は…ぁっ…」 手足がじんじんと痺れる感覚のなか、開けた視界には。 恍惚とした顔で横たわる 俺だけのΩ 倒れこむように、抱き締めて。 互いの乱れた吐息を奪うように、唇を重ねた。 「…蓮くん…」 愛らしい天使の唇が 「…愛してる…」 その時初めて俺への愛を紡いで 身体が震えた