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花魁鳥(エトピリカ)12 side蓮
「あっ…んんっ…」
指を奥まで突っ込み、掻き出すように動かすと。
ドロリとした残滓が溢れて。
シャワーの湯と混じりあって、排水溝へと消えていった。
それと同時に、それまで楓の芳しい香りに纏わりついていた龍の匂いが消えて。
細い腰に腕を回し、ピタリと背中を自分の身体に密着させ、俺はようやく安堵の息を吐いた。
「ふ…ぁっ…蓮、くっ…」
その息が耳をくすぐったらしく、楓はピクピクと小刻みに震えながら甘い声を漏らす。
迂闊だった…
龍がこういう行動に走ること
想定してないわけじゃなかったのに
自身の甘さを呪いつつ、傷一つない真っ白なうなじへと舌を這わせる。
無事でよかった…
「はっ…ぁんっ…」
ねっとりとそこを舐めあげると、楓は身体をくねらせて見悶えた。
そのまま、肩や腕、背中や脇腹にキスを落としていく。
あいつの痕跡を上書きするために
「あ…ぁっ…蓮くんっ…」
俺の唇が肌を滑るたび、ぷるぷると震えながら甘い声で俺の名前を呼ぶ。
もっとだ
もっと…
おまえの中
俺以外いなくなってしまえばいい
突っ込んだままだった指をぐりっと動かすと。
「んあぁっ…」
楓の身体は打ち上げられた魚のように跳ねて。
奥から熱い蜜が溢れ、俺の手を伝って床のタイルへとポタポタと落ちた。
「あぁっ…あっ…いいっ…やぁっ…」
指をバラバラに動かしてかき混ぜると、髪を振り乱して見悶える。
もう片方の手で、硬く勃ちあがった楓の茎を握り。
それを上下に擦りながら、埋めた指で抜き差しを繰り返すと、強請るように腰が揺れて。
また蜜が溢れだした。
ぐちゅりぐちゅりと、浴室に卑猥な水音がこだまする。
「やっ…だめっ…だめ、蓮くんっ…」
限界が近いのか、俺を咥えこんだ内壁がぎゅ、ぎゅと収縮を繰り返している。
「いいから…イッて?」
耳元で低く囁いて。
棹の先端の割れ目を、指で引っ掻き。
なかの一番感じる場所を指先で刺激してやると。
「や、ぁっ…イク…イクぅっ…」
ぶるっと一際大きく震えて。
真っ白な精が、棹の先端から勢いよく吹き出した。
「ぁっ…は…ぁっ…」
びくびくと痙攣した身体が、突然弛緩して。
ずるずると落ちていく。
「…楓…おまえの中に、入りたい」
くたりと冷たい浴室の床に寝そべった身体をうつぶせにし、腰を高く抱えて。
俺を待ちわびるようにひくついている、愛液で濡れたその入り口へと、限界まで膨れ上がった自分の肉棒を押し付けた。
「んっ…欲しい…蓮くんの…早く入れて…」
欲情に浸りきった眼差しで、求められて。
我慢なんて出来るはずもない。
小さな丸い双丘を両手で掴み。
体重をかけて一気に最奥へと押し込んだ。
「んぁぁぁっ…」
叫び声のような、嬌声が響き渡った。
「っく…楓っ…」
搾り取ろうとするように、猛ったモノに内壁がぎゅうぎゅうと絡み付いてくる。
その熱さに浮かされて。
無我夢中で、腰を打ち付けた。
「あっ…んあっ…ぁっ…」
激しいピストンの衝撃に耐えるように、床のタイルに立てられた爪の白さに、くらくらする。
「や、ぁんっ…また、イキそ…ぁぁっ…」
萎えることを知らないように硬いままの茎の先から、ぽたぽたと透明な雫が零れている。
「あぁ…俺も、ヤバいっ…」
うねって絡み付く肉の感触に、脳みそがビリビリと痺れて。
全身に渦巻いていた熱が、放出へと向かって一気に集まってくる。
「あっ、あっ、あっ…やっ…だめぇっ…」
「…っ、く…ああっ…」
その白い背中が綺麗な弧を描いた瞬間。
強く、締め付けられて。
再び白い精が解き放たれるのを見ながら、俺も楓の最奥へと吐き出した。
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