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翡翠(かわせみ)13 side楓
男の腕に抱きしめられると、身体が震えた。
熱い唇が肌の上を這うと、触れられたところが燃えるような熱さになる。
「芳しい香りだ…君は、こんなにいい匂いだったのか…」
耳元で囁かれる艶めいた低い声に、ゾクゾクと背筋が震えて。
思わず、その首に腕を回しすがりついた。
「ねぇっ…早く、欲しいっ…」
「駄目。こんなに可愛らしい君は、初めて見るからね。もっとじっくり味わわないと」
なのに、男は焦らすように、おでこや頬にしつこくキスを落とす。
「あぁっ…やっ…はや、くぅっ…」
「慎ましやかな吐息を漏らして悶える普段の君も、そそるけど…大胆に誘ってくる君は、刺激的でいやらしいな…」
甘い声で囁きながら、熱い舌が耳の後ろを掠めて。
「あ、ぁっ…」
チョーカーに隠されたうなじに、ビリっと電流のような痺れが走った。
「あぁ…君のここは酷く甘いんだな…知らなかったよ」
ざらり、ざらりと。
嬉しそうな声音で何度もそこを舐められると、渦巻く熱の奔流が強くなる。
「あぁっ…ねぇっ…」
もっと直接的な強い快感が欲しくて。
両足を男の腰に絡め、剥き出しの下半身をぐいっと腹に押し当てた。
男が、耳元で嗤う。
「積極的だな。どうして欲しい?」
「さ、わって…もっと、きもちよくしてっ…」
「…いいだろう。素直な君は、震えるほど可愛いよ」
今にも爆ぜそうに硬くなったぺニスの先端を指先でするるりとなぞられると、ぞくりと小さな快感が沸いた。
「やっ…もっとっ…あぁぁっ…」
その先を強請り終わらないうちに、強く握り込まれ。
乳首に歯を立てられて。
同時にきた強い快感に、背中が弓形にしなった。
「…っ…その声、ヤバイな…」
男の声に、熱い吐息が混じる。
「あぁっ…やっ…ぁ、ぅっ…」
敏感になってる乳首を熱い舌が舐めしゃぶり、大きな手のひらが包み込んだぺニスを激しくしごく。
次々に産み出される強い快感が、身体中を駆け巡って。
ひとりでは決して得られない圧倒的なそれに、俺は激しく見悶えた。
「やっ…あぁぁっ…いいっ…きもちいいっ…」
もうとっくに箍の外れた身体は、快感を従順に受け止めて。
あっという間に絶頂へと押し上げられていく。
「あっ…だめっ…イっちゃうっ…もう、イっちゃうっ…」
「あぁ、いいよ」
甘く艶めいた声が、鼓膜を揺らし。
促すように、ぺニスの先端へ指を捩じ込まれて。
「や、ぁぁぁーっ…」
堪える暇も与えられず、熱を解き放った。
「は…っ…ぁ、ぁ…」
一瞬の、解放感。
なのに、まだ膨大な熱が身体の中に留まり、俺を蝕んでいる。
「ね…ぇ…まだ…もっと…」
乱れた息の下から、再び手を伸ばすと。
「…怖いな、君は…本気で、溺れそうになる…」
呻くような声を吐いた唇が、俺のそれを塞いだ。
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