滑らかな肌に唇を這わせると、ビクビクと震えた。 「ねぇっ…はやくぅっ…」 ぐいぐいと押し付けてくる、もう雫を垂らしたペニスを手で包み込み。 ゆっくりとその手をスライドさせながら胸の突起を舌で舐めてやると。 「んんんっ…あぁっ…」 楓の身体はびくんっと大きく跳ね。 また、フェロモンが濃くなる。 濃厚な甘い香りが、脳髄までを焼き尽くすような熱さで纏わり付いてきて。 このまま、この魅惑的な香りを放つ身体を組み敷き、奥の奥まで突き刺して、思うがままに蹂躙したいという、ひどく獰猛な欲望が身体中を駆け巡った。 「っ、く…楓っ…」 それを、僅かに残る理性の欠片で必死に押し留めようとするけど。 「やっ…いれてっ…もう…あついの、ほしいっ…」 甘やかな誘惑に、そんなもの簡単に吹き飛んでしまって。 「…っ…くそっ…」 この欲望に抗えないのは 俺がαとして劣ってるからなのか それとも楓のフェロモンが強すぎるのか… そんなことを頭の片隅で冷静に考えながらも。 身体は本能が生み出す欲望に押し流されるように、楓の足を抱え上げ。 秘められた蕾へと指を這わせてしまう。 「あぁんっ…」 触れた場所はもう、俺を迎え入れる準備を整えたみたいに、しとどに濡れそぼっていた。 ひくひくと待ちわびるように収縮を繰り返す縁を指先で何度かなぞり、差し込むと。 熱く湿った粘膜が、獲物を捉えるように蠢いて絡み付く。 「あ、ぁぁっ…ゆび、やぁっ…あついの、ほしいっ…」 そのまま拡張しようと指を動かすと。 熱に浮かされた虚ろな瞳で、縋るように俺の腕を強く掴んだ。 「ねぇっ、はやくっ…はやく、いれてっ…あついの、ちょうだいっ…」 その瞳は俺を見つめているはずなのに、そこに俺は映っていなくて。 今、楓を支配しているのは、αの種が欲しいというΩの本能だけなのだと、直感する。 「楓っ…愛してるっ…」 「いやっ…ね、もうっ…ほしいっ…あついの、いっぱいっ…」 「楓っ…」 「ねぇっ、はやくっっ…」 俺の言葉も、今の楓の耳には入らないようで。 いつもこんなふうにヒートを過ごしていたのか… 今更ながらに突きつけられた現実に、悔しさと哀しみが心を支配した。 「楓っ…楓…」 「はやくっ…ねぇ、はやくっ…おれのなか、あついのでいっぱいにしてよぉっ…」 それでも、身体は噎せ返るほどの甘いフェロモンに雁字搦めに縛られて。 気がつけば、柔らかく濡れそぼった熱い蜜壺から指を引き抜き、痛いくらいに怒張した自分のペニスを、その入り口に押し当てていて。 「くそっ…」 自分自身への怒りとともに、グッと腰に力を入れて先端を突き入れた瞬間。 「いっ…やぁぁぁぁっ……！」 楓の、闇を切り裂くような叫び声が響いた。