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鶺鴒(セキレイ)10 side蓮
「今日は、俺にさせて?」
その腕に誘われるように倒れ込み、楓を組み敷こうとすると。
楓は微笑みながら、くるりと身体を反転させて。
逆に、俺をベッドに沈めた。
想定外の出来事に、ビックリしすぎてフリーズしてる間に、楓は素早く俺のズボンと下着を脱がせる。
「えっ…ちょっと、待てっ!」
そのまま、まだふにゃんと茂みのなかに眠ってる俺のモノを咥えようとするから、咄嗟にその頭を掴んだ。
「どうして?嫌?」
「や…嫌、じゃない、けど…その…風呂、入ってないし」
悲しそうに表情を曇らせるから、慌てて言い訳すると。
「そんなの、蓮くんだっていつも気にしないじゃん」
ホッとしたように微笑んで、躊躇なく俺のを口に入れる。
「…ぁ、っ…」
湿った、生暖かい粘膜に包まれて。
ゾクリ、と小さな快感が背筋を這った。
まだ萎えた状態のそれを、飴玉を転がすように舌で舐め回されると、一気に身体中の血がそこへ集まってくる感覚が…。
「ん、ふ…おっきく、なった」
一瞬にして完勃ち状態になったのを、少し苦しそうに口から出して。
でも嬉しそうに微笑みながら、大きく出した舌で棹をなぞる。
「っ…う…ぁっ…」
アイスキャンディーを舐めるように、ペロペロと舐められると、ゾクゾクが大きくなって。
思わず、声が漏れてしまった。
楓は目を細めて、またパクリと咥え。
唇を窄めて根元から先端までをねっとりとしごきながら、反応を確かめるようにチラチラと俺を見る。
赤黒い俺の肉棒が赤い花弁のような唇を出入りする卑猥さと、俺を見つめる少し恥ずかしそうな眼差しとのアンバランスな光景が、俺の中の情欲に一気に火をつけた。
「…くっ…か、えでっ…」
自分のとは思えない、上擦った声が出てしまって。
そんな俺の反応に気を良くしたのか、楓はますます目を細め、しごくスピードを上げる。
ぐぷぐぷと卑猥な音が響かせながら、裏筋や鈴口を巧みな舌使いで刺激され。
抵抗する間もなく、快楽の高みへと押し上げられていく。
「ちょ…まて、って…も、ヤバい、からっ…」
あまりにも早すぎると、歯を食い縛ってなんとか快感を逃がそうとするけど。
楓は逃がさないとばかりに、ぐいぐいと追い詰めてきて。
「あっ…出るっ…」
じゅるっと、先端を強く吸われた瞬間。
俺は呆気なく楓の喉奥に、精を解き放ってしまった。
「っ…あ…ぁっ…」
どくどくと、何度か放つ間、楓はじっと咥えたままで。
射精が収まって、くたりとシーツへ身を沈めると、ようやく口を離し、頬を膨らませたまま四つん這いで俺の顔の真上にくると。
ゴクンと喉を鳴らして、飲み込んだ。
「気持ち良かった?」
そう言って微笑むのは。
淫らで、でも誰よりも美しい俺だけの天使。
「ああ。めちゃくちゃ気持ち良かった」
俺は両腕を伸ばして捕まえると、そっと唇を重ねた。
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