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鶺鴒(セキレイ)11 side蓮
楓は、俺に覆い被さったままズボンと下着を脱ぎ、自分の後ろへと手を伸ばす。
「え…それも、自分でやんの?」
「うん。蓮くんは、今日はじっとしてて」
欲を纏った眼差しで妖艶に微笑む楓は、俺のまだ知らなかった楓で。
一度放出して冷めたはずの熱が、また上がった気がした。
「は、ぁんっ…」
甘い吐息とともに、ぐちゅりと水音が聞こえる。
「んっ…ん…」
ふるふると小刻みに震え、頬を赤く染めて。
悩ましげに眉を寄せながら、俺を受け入れる準備を進めるその姿は、ひどく淫靡で、でもすごく健気で。
堪らず、パジャマの裾を捲りあげ、存在を主張するように膨らんだ乳首を摘まんだ。
「あんっ…」
ビクッと、楓の身体が跳ねた。
そのまま指先で押し潰すように捏ねると、ピクピク震えながら動きを止める。
「続けて?」
両方の乳首を弄りながら、促すと。
閉じていた目を開いて、軽く俺を睨むようにしながら、また後ろに埋め込んだ指を動かし始めた。
そんな色気駄々漏れの顔で睨まれても
可愛いだけなんですけど…
「はっ…ぁ…ぁ、んっ…んんっ…」
摘まんで引っ張ったり、捏ねたりを繰り返すと、喘ぎ声といやらしい水音が大きくなる。
視線を下へと移すと、硬く勃ち上がり、先から透明な雫を滴らせている楓の小さなペニス。
片手を乳首から離し、それをきゅっと握り込むと、楓は大きく震えた。
「やっ、ぁっ…」
ガクン、と力が抜けて倒れ込んできた身体を、抱き止める。
「ん?どうした?」
握り込んだ手をゆるゆると動かしながら訊ねると、楓は俺の耳元ではぁはぁと色っぽく喘ぎながら、嫌々するように首を振った。
「やっ…だめ…それ、イッちゃ、う、からぁっ…」
乱れた息の合間から放たれた台詞は、ひどく可愛らしいもので。
思わず、頬が緩む。
「いいよ、イキなよ」
「んんんっ…ん、だめっ…だめ、なのっ…」
なんの抵抗なのか、必死に快楽を逃がそうと首を振り続けるから。
俺は乳首を弄ってたもう片方の手を離し、尻の窪みをなぞって、自分の指を飲み込んでいる秘めたその穴を押し広げるようにして、強引に指を突き入れた。
「んぁぁっ…」
また、びくんっと大きく震える。
「ごめん。痛かった?」
悪いなんて、これっぽっちも思ってないけど。
一応、そんな風に聞いてみたら、俺の肩に埋めていた顔をこっちに向け。
「…蓮くんの、バカ」
もうすっかり欲情に濡れた瞳で、不貞腐れたようにそんなことを言うから。
「ふぅん…良いんだ?そんなこと言って」
俺は指先だけを押し込んでいた手を、ぐっと一気に奥まで進めた。
「あぁぁっ…」
悲鳴じみた嬌声を聞きながら、埋め込んだ指をグリグリと動かし。
ペニスを握り込んだ手を、激しく動かしてやる。
「あっ…あぅっ…だめっ…やっ、だめっ…」
気持ち良さそうな声で啼くくせに、口から出てくるのはなぜか拒絶の言葉ばかりで。
少しだけ苛ついた俺は、楓を追い詰める手を早める。
「やっ…だめっ…れんくっ…いっ、ちゃうっ…」
いつの間にか、両腕で俺にしがみつくように抱きついていた楓の身体が、小刻みに震え出して。
「あっ、ぁ…いく…いっちゃ…ぁぁっ…」
その瞬間。
俺は指を引き抜き、楓を抱き締めたまま、身体を勢いよく起こした。
「えっ…!?」
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