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鶺鴒(セキレイ)12 side蓮

もうちょっとだったのに…って聞こえてきそうな、不満顔の楓の腰を持ち上げて。 物欲しそうにひくつく入り口へと、硬く張り詰めたモノを下から一気に突き刺す。 「あーーーっ…」 瞬間、俺を包んだ肉壁がびくびくっと痙攣して。 真っ白い飛沫が腹に飛んできた。 「や…ぁ、ぁっ…」 ぎゅうっと強くしがみつきながら身体を震わせる楓の中は、さらに奥へと導くように収縮を繰り返していて。 誘われるままに、突き上げる。 「あっ、ぁ…まっ、てっ…まだ、イッ、てる…からぁっ…」 涙を含んだ声にも、止めることは出来なくて。 「あっ、やっ、ぁっ…だめっ…また、くるっ…」 緩急をつけることも出来ず、ガツガツと突くと、さらに強い締め付けがきた。 「あぁぁっ…」 危うく持っていかれそうになるのを、奥歯を噛み締めて耐える。 「あ…ぁ…ぅ…」 絶え間なく続いた絶頂に、くたりと力の抜けた楓を抱き締めて。 繋がったまま、ベッドに押し倒す。 「あっ、あっ…蓮くん、だめっ…」 両足首を持ち上げ、大きく横に広げて。 体重をかけて最奥へと捩じ込むと。 楓の長く美しい指が、シーツをぎゅっと握った。 「ダメ?本当に?じゃあ、やめる?」 先端で楓のイイトコを掠めるようにピストンしながら、訊ねると。 壮絶な色気を纏う潤んだ瞳で、恨めしげに見上げてきて。 「…やだ…もっと、して…」 耳まで真っ赤にしながら、ようやく本当のことを吐き出した。 「もっと…いっぱい、気持ちよくして…」 続いた、さらに煽るような言葉に、俺のちっぽけな理性なんて簡単に吹き飛ばされる。 掴んでいた足を、胸につくくらいに折り曲げ。 一度浅い部分まで引き抜き、勢いをつけて根元まで埋め込んで。 何度も激しく、突き上げた。 「あぁぁっ…あっ、ぁぁっ…れん、くんっ…」 楓がシーツを掴んでいた手を、俺へと伸ばす。 その腕の中に飛び込んで、隙間なんて失くなるほど強く抱き合って。 二人で、甘い快楽の海に溶けた。 果てのない欲望のままに抱き合って。 シャワーを浴び、再びベッドへ潜り込んだのはもう明け方に近い時間だった。 「仕事、大丈夫なの?もう、二時間くらいしか寝られないじゃん」 眠そうに目を擦りながら、俺の胸に頬を擦り寄せてくる仕草が可愛くて。 また組み敷きたくなってしまう堪え性のない自分を、なんとか抑え込む。 俺はいいけど これ以上は楓が明日大変だしな… 「大丈夫だよ。寧ろ、4日ぶりにパワーチャージ出来たし」 「もう…バカ」 俺の軽口に、楓はふわりと微笑んだ。 「…なぁ、楓」 「ん?」 「どうして今日は、あんなに嫌とかダメとかばっか言ってたわけ?」 いつものセックスでも、何度か嫌とかダメとか否定の言葉を口にすることはあるけど。 今日はちょっと度が過ぎてる気がする。 「俺、なんか嫌なことしたか?」 本当はなにかを我慢させてたんじゃないかと、不安を抱えながら訊ねたら。 楓は気まずそうに視線を泳がせた。 「…違うもん」 「じゃあ、なに?言いたいことあるなら、我慢しないでちゃんと言って?」 「っ…もうっ!そうじゃなくてっ!」 かと思ったら、急に怒ったような大きな声を出して。 くるりと背中を向ける。 「え?楓!?」 「そうじゃなくて…いつも、俺ばっか気持ち良くしてもらってるから…いつも、俺ばっか蓮くんの愛を受け取ってる気がしたから…俺だって、負けないくらい蓮くんが好きだって、どうやったら伝わるかなって…だから、今日は俺が蓮くんのこと気持ち良くしてやろうって思ってたのに、蓮くんが…って!なに言ってんの、俺っ…」 言ってるうちに、耳まで真っ赤になって。 逃げるようにベッドから出ていこうとした華奢な身体を引き寄せ、腕の中に抱き込んだ。 「ありがと」 真っ赤な耳にキスをすると、そこはひどく熱くて。 愛おしさが、全身を包み込む。 「楓の気持ち、すごく嬉しいよ。今日、すごく気持ち良かったし。でも、楓が気持ち良くなってくれてる方が俺ももっと気持ち良くなれるから」 「え、そうなの…?」 「うん。だからさ」 赤い顔のまま、不思議そうに振り向いた楓の肩を掴んで。 再び、シーツに縫い付けた。 「また、俺のこと気持ち良くしてよ」 「え!?蓮くんっ!?」 そうして、甘く香るうなじに唇を寄せる。 「ちょっ…仕事は!?」 「大丈夫。1日くらい徹夜でも」 「いや、無理っ!俺が、これ以上無理だからっ!」 ジタバタと暴れる手足を無理やり押さえ込んで。 拒絶の言葉を吐く唇を、塞いだ。

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