331 / 566
白鷺(しらさぎ)14 side楓
「あっ…あ、ぁっ…」
重なった場所から尽きることのない快感が生み出されて、爪先から頭の天辺までを満たしていく。
「は、ぁっ…もっと…もっと、蓮くんっ…」
「ああ…ここだろ?」
蓮くんが俺の両足を高く抱えあげ、角度を変えて突くと。
「やぁぁぁっ…」
一際強烈な快感が、駆け抜けていった。
「いいっ…そこ、もっとっ…もっとしてっ…」
「…今日は、ずいぶん積極的だな?すげぇ、可愛い」
蓮くんの上擦った声とともに、感じる部分を何度も何度も擦られて。
身体中を満たす熱が、また一点に集まってくる。
「あ、ぁっ…くるっ…あぁぁっ…イッちゃうっ…」
首を振って、その感覚を逃そうとすると。
熱くて大きな手が、俺のペニスを握って。
「あっ、ダメっ…それ、ダメぇっ…」
前と後ろの両方の刺激に、一気に持っていかれて。
「イクぅっ…あぁぁっ…」
ビリビリっと痺れるような強い快感が、駆け抜けていった。
「…やべ。今日の楓、可愛すぎる」
びくびくと余韻に震える俺を、蓮くんは楽しそうに見下ろしながら、手のひらに広がった俺の欲を見せつけるようにペロリと舐める。
「マジで、手加減しないから」
そう言って、繋がったままの俺を持ち上げ、ぐるっと身体を回してうつ伏せにして。
また、激しく腰を打ち付けてきた。
「やっ、ダメっ…まってっ…」
「ダーメ。手加減しないって、言ったろ?」
ソファに爪を立てた俺の手を、上からぎゅっと握って。
うなじに軽く歯を立てながら、ヒートの時みたいに獣のように俺を蹂躙する蓮くんを。
俺はひどく満たされた気持ちで受け止めた。
「…あれ?」
目を開くと、寝室の天井が見えた。
「気が付いた?」
蓮くんが、楽しそうな微笑みを浮かべて、覗き込んできた。
「…どれくらい、意識飛んでた?」
「ほんの5分くらいかな」
「っていうか、いつベッドに来たの?」
「覚えてないのかよ。まぁ、めちゃめちゃ気持ち良さそうだったからなぁ。ヒートの時みたいに、何度もおねだりしてきたし?」
くくっ、て。
珍しく声を立てて笑いながら、俺の頬を指先で優しく撫でてくる。
俺は恥ずかしくなって、蓮くんの背中を引き寄せて、その胸に顔を埋めた。
「…ねぇ」
「うん?」
「出張、止めないでね?」
「なんで?」
「んもうっ!俺のわがままなんて、聞かなくていいの!」
「なんでだよ。楓のわがままなんて滅多に聞けないから、なんでも聞いてやりたいのに」
「ダメっ!」
ぎゅうっと背中に回した腕に、力を籠めると。
蓮くんは吐息だけで笑って、俺の髪にキスをする。
「じゃあ、楓が不安にならないように、10分おきに連絡する」
「…仕事、集中してよ…」
「あんな視察より、楓の方が大事」
「…ダメ。朝と夜だけでいいから」
「それじゃ、俺が楓不足になっちゃうじゃん」
「そんなこと、ないでしょ」
「あるよ。本当は、どこに行くのだって連れて歩きたいんだからさ」
冗談なのか本気なのかわからない声音で、そう言って。
「楓も、寂しくなったらいつでも電話して?仕事中だとか、そんなの気にしなくていいから。俺は、俺のことを思って我慢されるより、楓の思う通りに素直に行動してくれた方が、何倍も嬉しい。それは、わがままなんかじゃないんだから」
優しく、俺を抱き締めてくれた。
ともだちにシェアしよう!

