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白鷺(しらさぎ)14 side楓

「あっ…あ、ぁっ…」 重なった場所から尽きることのない快感が生み出されて、爪先から頭の天辺までを満たしていく。 「は、ぁっ…もっと…もっと、蓮くんっ…」 「ああ…ここだろ?」 蓮くんが俺の両足を高く抱えあげ、角度を変えて突くと。 「やぁぁぁっ…」 一際強烈な快感が、駆け抜けていった。 「いいっ…そこ、もっとっ…もっとしてっ…」 「…今日は、ずいぶん積極的だな?すげぇ、可愛い」 蓮くんの上擦った声とともに、感じる部分を何度も何度も擦られて。 身体中を満たす熱が、また一点に集まってくる。 「あ、ぁっ…くるっ…あぁぁっ…イッちゃうっ…」 首を振って、その感覚を逃そうとすると。 熱くて大きな手が、俺のペニスを握って。 「あっ、ダメっ…それ、ダメぇっ…」 前と後ろの両方の刺激に、一気に持っていかれて。 「イクぅっ…あぁぁっ…」 ビリビリっと痺れるような強い快感が、駆け抜けていった。 「…やべ。今日の楓、可愛すぎる」 びくびくと余韻に震える俺を、蓮くんは楽しそうに見下ろしながら、手のひらに広がった俺の欲を見せつけるようにペロリと舐める。 「マジで、手加減しないから」 そう言って、繋がったままの俺を持ち上げ、ぐるっと身体を回してうつ伏せにして。 また、激しく腰を打ち付けてきた。 「やっ、ダメっ…まってっ…」 「ダーメ。手加減しないって、言ったろ?」 ソファに爪を立てた俺の手を、上からぎゅっと握って。 うなじに軽く歯を立てながら、ヒートの時みたいに獣のように俺を蹂躙する蓮くんを。 俺はひどく満たされた気持ちで受け止めた。 「…あれ?」 目を開くと、寝室の天井が見えた。 「気が付いた?」 蓮くんが、楽しそうな微笑みを浮かべて、覗き込んできた。 「…どれくらい、意識飛んでた?」 「ほんの5分くらいかな」 「っていうか、いつベッドに来たの?」 「覚えてないのかよ。まぁ、めちゃめちゃ気持ち良さそうだったからなぁ。ヒートの時みたいに、何度もおねだりしてきたし?」 くくっ、て。 珍しく声を立てて笑いながら、俺の頬を指先で優しく撫でてくる。 俺は恥ずかしくなって、蓮くんの背中を引き寄せて、その胸に顔を埋めた。 「…ねぇ」 「うん?」 「出張、止めないでね?」 「なんで?」 「んもうっ!俺のわがままなんて、聞かなくていいの!」 「なんでだよ。楓のわがままなんて滅多に聞けないから、なんでも聞いてやりたいのに」 「ダメっ!」 ぎゅうっと背中に回した腕に、力を籠めると。 蓮くんは吐息だけで笑って、俺の髪にキスをする。 「じゃあ、楓が不安にならないように、10分おきに連絡する」 「…仕事、集中してよ…」 「あんな視察より、楓の方が大事」 「…ダメ。朝と夜だけでいいから」 「それじゃ、俺が楓不足になっちゃうじゃん」 「そんなこと、ないでしょ」 「あるよ。本当は、どこに行くのだって連れて歩きたいんだからさ」 冗談なのか本気なのかわからない声音で、そう言って。 「楓も、寂しくなったらいつでも電話して?仕事中だとか、そんなの気にしなくていいから。俺は、俺のことを思って我慢されるより、楓の思う通りに素直に行動してくれた方が、何倍も嬉しい。それは、わがままなんかじゃないんだから」 優しく、俺を抱き締めてくれた。

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