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大水薙鳥(オオミズナギドリ)7 side蓮
ずぶり、と楓の中に指を突き立てると。
「あぁんっ…」
その華奢な身体は、陸に打ち上げられた魚みたいに、跳ねた。
締め付けてくる熱い粘膜に早く包まれたくて。
無理やり押し広げるように、埋め込んだ指を蠢かせる。
「あ、あぁっ、あっ…やぁっ…お湯、はいって…あついっ…」
楓は、艶かしい嬌声を撒き散らしながら、美しい音を紡ぎ出す細く長い指で風呂の縁をぎゅっと掴んだ。
「楓…いくら離れって言ったって、そんな大きな声で喘いだら誰かに聞こえちゃうけど?」
わざといつもより低い声で耳元で囁いてやると。
俺の指を咥えこんでいる中が、きつく締まる。
「やっ…蓮くんの、いじわるっ…」
振り向き様に睨んだ瞳は。
でも、とっくに情欲の色に支配されていて。
俺はその細い腰を強く引き寄せ、ぴたりと身体を密着させて。
指を捩じ込むように奥へと突き立てると、知り尽くした感じる場所を指先で擦った。
「あぁぁんっ…」
「じゃあ、もっと意地悪してやろうか」
耳元で囁いて、耳朶を甘噛みする。
「あ、ぅんっ…」
耳の後から首、うなじへとねっとりと舌を這わせ。
俺の所有の証である噛み痕に、軽く歯を立てながら。
一旦、指を抜ける寸前まで引き。
一気に奥まで差し込んだ。
「やっ、ぁぁぁっ…」
びくびくっと震えながら、楓は一際甘い声を上げる。
「楓、声、いいの?」
ズブズブと抜き差しを繰り返したり、中で指をバラバラに動かしたりしながら、また耳元で囁くと。
「っ…んんっ…んっ…」
慌てて唇を閉じたけれど、抑えきれない声が漏れた。
「ふぅっ…んっ…ん…」
快感を逃そうとしたのか、楓は首を激しく横に振って。
その拍子に、硬く閉じられた目蓋の端から涙がぽろりと零れる。
「んんんっ…っ…んーっ…」
苦しそうにぽろぽろと涙を溢しながら、真っ赤な顔で必死に唇を噛み締めて声を我慢してる姿を見ていると。
脳みそが沸騰しそうなくらいの激しい興奮のなかに、軽い罪悪感が混じった。
ちょっとイジメ過ぎたか…
「…ごめん、楓。声、我慢しなくていい。周りには誰もいないから。だから…可愛い声、聞かせて?」
激しく動かしていた手を、少し緩めながら囁くと。
ゆっくりと目蓋を上げ、濡れた瞳で恨めしそうに俺を横目で睨む。
「蓮くん、の…ばかぁっ…」
「うん。俺が悪かった。お詫びに、楓のして欲しいこと何でもしてあげるよ」
まだぽろぽろと涙を溢す瞳にそっとキスをすると、俺を咥えこんでいる内壁が、きゅっと締まって。
「…もう、いれて…?蓮くんの、ほしい…」
赤い果実のような唇が、可愛いおねだりを紡いだ。
「わかった。いっぱい、気持ちよくしてあげる」
その唇にキスを落とし、指を引き抜くと、楓は自分からお尻を突き出してきて。
「挿入 れるよ?」
「んっ…はや、くっ…」
その細い腰を強く掴み、一気に滾るものを押し入れた。
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