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大水薙鳥(オオミズナギドリ)19 side蓮
白い絹のような滑らかな肌を強く吸い上げると、紅い花が散ったような跡がついた。
いくつもいくつも所有の証である花を散らすと、息を乱した楓が情欲に濡れそぼった眼差しで、俺へと手を伸ばし。
「俺も…つける…」
俺を強く引き寄せると、鎖骨の上に噛み付くように唇を当てる。
ちりっと微かな痛みが走って。
俺にも紅い花が散った。
「…俺の…蓮くん…」
美しい音を奏でる指先で、その花をなぞり。
楓はひどく満足そうに微笑む。
「ああ…俺の全部は、楓のものだ。この細胞の一つ…魂まで、すべて」
楓から跡をつけたのは初めてで。
幸福感に全身満たされながら、跡をなぞる指先を捕らえ、キスを落とした。
「どうして欲しい?楓のしたいようにしてやるよ」
そのまま、手の甲や手首にキスしながら訊ねると、期待するように目を細め。
「…胸…舐めて…」
俺の頭を、ぷつんと硬く尖った胸の尖りの前に引き寄せる。
舌を出し、ピンク色のそれの周りをねっとりと舐めてから、唇で挟んでひっぱると。
ふるっと震えた。
「あっ…蓮くんっ…」
口に含んだ粒を舌先で転がしながら、もう片方を指で捏ねたり押し潰したりしてやる。
「いいっ…あ、ぁっ…きもち、いいっ…」
楓は、はくはくと甘い吐息を溢しながら、蕩けたような眼差しで俺を見つめて。
「…した、も…さわって…?」
胸を弄っていた俺の手を取り、もうすっかり硬く勃ちあがったモノへと誘導した。
手のひらでそっと包み込んで、ゆっくりと上下に擦ると、先端から透明な雫が零れる。
「はっ…ぁっ…」
少しずつ、扱くスピードを上げていくと、楓の腰は自ら快楽を貪るように妖しく揺らめいて。
「あ、ぁっ…いいっ…いいっ、蓮くんっ…」
白い肌が薄いピンクに染まり、手の中のモノもぐんと質量を増した。
「ん、んっ…ぁ…」
俺の手で少しずつ大胆に、いやらしく乱れていく姿が、とても綺麗で。
もっと乱れさせたくて。
さらに追い詰めるように手を動かし、胸の粒を軽く噛むと、大きく開いた内腿がびくびくと震える。
「んっ…イキ、そっ…」
楓の手が、俺の髪をぐしゃりと撫でて。
足の指が、きゅっとシーツを掴んで。
「あ、ぁ、ぁっ…イク…」
髪を掴んだ指先に、ぎゅっと力が入った瞬間。
握りこんだペニスから、熱い欲が勢いよく飛び出した。
「気持ち良かった?」
手のひらに零れた欲をティッシュで拭き取り、まだ射精の余韻にピクピクと震える唇にキスをすると。
壮絶な色を纏った恍惚とした瞳が、ゆっくりと俺を捉える。
「ん…すごく、よかった…」
そうして、その色香とは真逆の、ふんわりとした柔らかな微笑みを浮かべて。
「今度は…俺が蓮くんを気持ちよくする」
俺の肩を掴み、くるりと身体を反転させてシーツに沈めた。
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