370 / 566

大水薙鳥(オオミズナギドリ)21 side蓮

「ん…んぅ…」 少し苦しそうにしながら、楓はゆっくりと狭くて熱い肉壁で俺を包んでいく。 寄せられた眉と、はくはくと苦しげな息遣い。 壮絶な色香を纏った潤んだ瞳で見下ろしながら、自分から飲み込んでいく姿が、ひどく卑猥なのに綺麗で。 それだけで達しそうになるのを、必死で歯を食い縛って堪えた。 「っ、あ…ぜんぶ、はいっ…た…」 ずっぽりと根本まで埋め込んで。 楓は、その卑猥な姿とは真逆の、汚れを知らない天使のような顔で微笑む。 瞬間、ずんっと下半身が一気に熱さを増した。 「あ…蓮くんの、おっきくなった」 「…楓が、可愛いこと言うからだろ」 「んふ…ねぇ、俺のなか、きもちいい?」 「ああ。頭がおかしくなるくらい、気持ちいいよ」 「ホント?じゃあ、もっともっと気持ちよくなって?」 そう言って、今度は妖艶に笑って。 抜けるギリギリまで腰を浮かし、すとんと体重をかけて一気に奥まで飲み込む。 鋭い快感が、全身を突き抜けて。 「…っ、くっ…」 危うくイカされそうになったのを、すんでのところで耐えた。 「んっ…は、ぁんっ…ねぇっ…きもち、いい…?」 俺の腹に手を付き、妖しく腰を揺らめかせて訊ねる、そのいやらしい姿に。 脳ミソがオーバーヒートを起こしそうになる。 「…っ…ああ…気持ちいいよ…でも」 頷きながらも、その細い腰を掴んで。 思いきり下から突き上げた。 「あぁぁんっ…」 してもらうのもいいんだけど やっぱ主導権を握られるのはちょっと悔しいんだよな 「あっ、ぁっ…蓮くん、まってぇっ…」 ガツガツと下から突き上げると、楓は悲鳴のような嬌声を上げながら、髪を振り乱して悶える。 ペニスはまた勃ちあがっていて。 腰を掴んでいた手を片方離し、それを握ると。 楓はぶるぶるっと大きく震えた。 「あっ…だめっ…それ、だめっ…」 激しく突きながら、ペニスを扱くと。 俺を包み込む肉壁がぎゅうぎゅう締まる。 「…くっ…楓っ…」 「だめっ…蓮くんっ…へんになるうっ…」 いつもにも増しての乱れっぷりに、全身を渦巻く快感が、一気に下半身に集まってきて。 「あ、ぁ、ぁぁぁっ…くるっ…なんか、くるっ…だめっ…でちゃうぅぅっ…」 「っく…あぁぁっ!」 狂ったような熱さの欲を楓の奧に解き放った瞬間。 楓のペニスの先から、精液とは違う、透明な飛沫が大量に吹き出して。 俺の胸を、濡らした。 「はっ、あっ…ぁぁ…」 激しく息を乱したまま、俺の上に倒れてきた楓を抱き留め。 そっと背中を撫でてやる。 「そんなに、気持ち良かった?潮、吹いたじゃん」 解放の余韻を噛み締めながら、からかうように囁くと。 楓は潤んだ瞳で、軽く俺を睨んだ。 「…蓮くんの、バカ」 「酷いな。気持ち良かっただろ?」 そう問いかけると、ふいっと顔を背けられたけど。 ぎゅっとしがみついてきた腕の強さだけで、答えなんか聞かなくても十分で。 「でも…もっと気持ちよくなりたい。ダメか?」 髪を掻きあげ、うなじの噛み跡に軽く歯を立てながら、もう一度問うと。 「…俺も、もっと蓮くんが欲しい…」 ゆっくりと振り向いた瞳には、再び火の点いた情欲の炎が見えた。

ともだちにシェアしよう!