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鳳凰(ほうおう)8 side楓

蓮くんの長い指が中を拡張するように蠢くと、甘く痺れるような快感が俺を包み込んだ。 「あ、ぁ、ぁんっ…」 「すげー、とろとろ。どんどん、溢れてくる」 艶めいた低い声が囁く、煽るような台詞が耳を掠めて。 それだけで、また身体の奥から熱いものが溢れる。 「んっ…あっ…ねぇっ、も…」 「ああ。俺も、我慢出来ねぇわ」 少し切羽詰まったような声とともに、指が引き抜かれ。 すぐに熱くて大きなペニスの先が押し込まれた。 「あ、ぁっ…」 でも、いつもと違ってゆっくりと進んでくるから、いつもより蓮くんのカタチがはっきりと感じられて。 いつもより、ゾクゾクする。 「っ…あんま、締めんなって」 「無理っ…わかんな、いっ…」 蓮くんが苦しそうな声を出したけど、気持ちよすぎて力の抜き方なんてわかんない。 ただ、ぎゅうっと蓮くんにしがみついて、熱いペニスを受け止めていると、ゆるゆると抜き差しを繰り返しながら、時間をかけて最奥までたどり着いた。 「あ…はいっ…た…」 ドクドクと脈打つそれを感じながら、ほうっと息を吐くと、ほぼ同時に蓮くんが息を大きく吐き出して。 思わず目を合わせ、同時に吹き出す。 そうして、蓮くんは笑いながら俺の頭を引き寄せて、おでことおでこをくっ付けた。 「なんか…初めてみたい」 「だな。お腹は?大丈夫か?」 「うん、平気」 頷くと、嬉しそうに目尻を下げて。 そっと唇を重ねる。 「動くよ?」 「うん、早く…」 ゆっくりと腰を引き、とんっと優しく奥を突かれると、擦れた部分から快感が散らばった。 「あっ…」 「今の顔、エロいな」 揶揄うような声音に、恥ずかしさが沸き上がって。 その恥ずかしい台詞を生み出す唇に、噛みつくように唇を重ねる。 待ってましたとばかりに、すぐに舌が入ってきて。 激しく舌を絡ませてると、少しずつ蓮くんの腰の動きが早くなってきた。 「ふっ…ん…んっ…ん、ぁっ…もっ…とぉ…」 もっといっぱい気持ちよくなりたくて、自分でも腰を揺らめかせると。 「っ…あーっ!もう我慢出来ねぇっ!」 突然、蓮くんが俺の顔を引き離し、横向きだった俺の身体を乱暴にうつ伏せにする。 「ごめんっ…!」 そうして俺の手を握り、強くシーツに押し付けて。 ぐぐっと、奥の奥まで入ってきた。 「あぁぁっ…」 一瞬、お腹の赤ちゃんのことが頭を過ったけど、激しく腰を打ち付けられると、もう後は気持ちいいことしか考えられなくなって。 「あっ、あぁっ…蓮くん、もっとぉっ…」 自分から強請って。 激しく溶け合って。 「っあ…あっ、ぁっ…イク…も、だめぇっ…」 「俺も、イクぞっ…」 お腹の一番奥で熱いものを受け止めながら、同じものを解き放った。 「っ…!ごめんっ!大丈夫かっ!?」 しばらく余韻に浸りながら、抱き合ってると。 突然我に返ったらしい蓮くんが、慌てて俺の中から出ていく。 「ん…だい、じょぶ…」 「本当に!?」 「うん。すっごく、気持ちよかった」 久しぶりに満たされた心地よい気だるさのまま、手を伸ばすと。 蓮くんはほっとしたように息を吐いて、俺を抱き締めた。 「俺も、気持ちよかった。良すぎて、理性ぶっ飛んだ」 「ふふっ…知ってる」 抱き締め返しながら、笑顔を返すと。 「…次は、ゆっくり優しくするから」 おでこにキスをして、俺の足を持ち上げる。 「え、今!?」 「駄目?」 子どものようなキラキラした瞳で見つめられると、また身体の奥が疼いて。 俺は返事の代わりに、唇にキスを返した。

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