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鳳凰(ほうおう)20 side楓

その夜は、みんなが押さえててくれたスイートルームに泊まることになった。 「わぁ、すごい綺麗!」 大きな部屋は、窓が全面硝子張りで。 そこに手をついて外を見ると、いろんな色が溢れる美しい夜景を独り占めしたような錯覚を覚える。 「ねぇ、蓮くんもこっち来てよ」 振り向いて、どこか不満そうにソファに座ってた蓮くんに声をかけると、しぶしぶって感じで立ち上がり、俺を後ろからぎゅっと抱き締めた。 「夜景、綺麗だね」 「…うん」 「…見てる?」 「ううん」 横目で確認すると、蓮くんは拗ねた子どもみたいに俺の肩に顔を埋めてて。 思わず、溜め息が漏れる。 「もう…仕方ないじゃん。いいでしょ?写真は撮ったんだから」 「でも、もうちょい楓のウェディングドレス姿、見たかった」 「…それ、ホント?脱がせたかった、の間違いじゃなくて?」 なんとなく透けて見えてる考えを口にすると、ぐっと言葉に詰まって。 ゆっくり顔を上げ、拗ねた目で俺を見た。 「…男のロマン」 「なにそれ。だって絶対汚すじゃん」 「クリーニングに出せば済むだろ。買い取ってもいいし」 「買い取ってどうすんのさ。もう必要ないでしょ。それに、絶対みんなに揶揄われるし」 「どうせ、ここに泊まってる時点でエッチなことしてるって、みんなわかってるだろ」 駄々っ子の表情のまま、するりとTシャツの中に手を入れてきて。 胸の先を、ピンと弾く。 「あ、んっ…」 鋭い刺激に、思わず声を漏らすと。 途端に悪戯っ子みたいな表情に変わった。 「良い反応」 「っ…もうっ!」 身を捩って逃れようとするけど、がっちりと腰を掴まれると出来なくて。 指先で押し潰すように捏ねられて、じわじわと快感が浮かんでくる。 「はっ…ぁ…あっ!」 うなじをかぷっと甘噛みされると、痺れのような甘い快感が背筋を走って。 力の抜けた身体を支えるために、慌てて窓に両手を付いた。 その隙に、蓮くんが素早く俺のベルトを外し、ジーンズとパンツを一気に床へと落とす。 「やっ!蓮くんっ…」 瞬間、窓にうっすらと鏡のように写る、下半身丸出しの自分のあられもない姿に、ぶわっと羞恥が浮かんだ。 「やだっ…ベッド、行きたいっ…」 「いいじゃん。みんなに楓のエッチな姿、見せてあげなよ」 蓮くんの大きな手が、ペニスを握る。 「もう、勃ってんじゃん。見られて、興奮してんの?」 耳元で囁かれる意地悪な言葉に、おそるおそる下へと視線を向けると、もうピンと上を向いていて。 また、恥ずかしさが込み上げた。 「やっ…違っ…」 「嘘。興奮してんだろ?」 いつもより数倍増しの艶っぽい声で囁かれながら、ゆるゆると握り込まれたモノを擦られると。 そこからゾクゾクするような快感が沸き、全身を覆い尽くしていく。 「あ、ぁっ…蓮、くんっ…」 「気持ちいい?楓」 「んっ…きもち、いいっ…」 あっという間に熱に浮かされた脳みそは、次々に溢れる快感を拾うことしか出来なくなって。 「楓…すげぇ、可愛い」 蓮くんの甘い声ですら、快感にすり替わって。 「はっ…ぁぁっ…うしろ、も…してぇっ…」 気がついたら、自分からお尻を付き出していた。

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