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鳳凰(ほうおう)21 side楓

「じゃあ、ちゃんと自分で身体支えてろよ?」 楽しげに弾んだ声が聞こえた後、腰を支えてくれてた手が離れて。 蓮くんを待ちわびてじんじんと疼く後ろを、その手が撫でた。 「すっご。もう、ぐちゅぐちゅじゃん」 指先だけを差し入れ、わざと羞恥を煽るようにぐちゅりと音を立てながら、浅い部分をかき混ぜられて。 頭が沸き上がるように熱くなる。 「やっ…いじわる、しないでよぉっ…」 「意地悪じゃないよ。可愛がってんの。俺を欲しがってヒクヒクしてる楓、すげー可愛いもん。ほら、窓見てみなよ?自分がどんなエッチな顔してるか」 「やだぁっ…はずかしっ…」 頭を振って拒否しながらも、薄く目を開いて目の前の窓を見てみると。 どろどろに蕩けたような、見たこともない自分の顔があって。 恥ずかしくて、再びぎゅっと目を閉じた。 「やっ…いやっ」 「俺は好きだよ?気持ちよくてどろどろに蕩けて、もっとって俺を欲しがる、エッチな楓が」 甘い声で、煽るような台詞を何度も囁かれて。 浅い部分だけを、ぐりぐりと擦られて。 もどかしさと恥ずかしさで頭がおかしくなりそうだ。 絶対、ドレスを脱がせられなかったから意地悪してんじゃん! そうわかってるのに。 すっかり官能の熱に侵された身体は、気持ちいいこと以外を考えるのを拒否してしまう。 だから。 「…もっ、と…」 窓に写るエッチな顔した俺は αが欲しくて欲しくて堪らない 淫らで浅ましいΩ ずっとそんな自分自身が嫌いだった でも こんな俺を蓮くんはまるごと愛してくれるから だから、俺も… 「もっと…奥まできて…?もっと気持ちいいこと、して…?」 顔だけ振り向いて、そう強請ると。 蓮くんがふっと笑いを引っ込めて、ゴクンと喉を鳴らした。 「…おまえ、その顔反則」 「ねぇ、早くぅ…早く、蓮くんのおっきいの、欲しい…」 腰を揺らして誘うと、今度は目を丸くして。 ふーっと大きく息を吐き出す。 「やべ…俺、おまえのスイッチ入れちゃったのかも」 「え…スイッチ…?なに…?」 「なんでも」 蓮くんは俺の唇に触れるだけのキスを落とすと、指を引き抜き。 さっと俺のTシャツを脱がせ、手早く自分もスーツを脱ぎ捨てた。 後ろからぎゅっと抱き締められると、遮るものがなくなった熱い肌がぴたっと密着して。 それだけで、ゾクゾクして身体が熱くなる。 「俺たちがどんなに愛しあってるか、みんなに見せてやろうぜ」 「もう…バカ」 わざとらしく窓に向かってニヤリと笑う蓮くんの顎を捕まえて。 噛みつくように、唇を重ねた。

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