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番外編 Robin(ロビン)7 side蓮
腕の中で幸せそうに微笑む楓が、可愛くて愛おしくて。
今すぐにでもベッドに連れ込んで、めちゃくちゃに抱き潰したい欲望が身体を駆け巡ったけれど。
折角楓が心を込めて用意してくれた料理を無下にすることは出来ないから、俺はなんとかその獰猛な欲望を抑え込んで、ゆっくりと時間をかけてクリスマスのディナーを楽しんだ。
楓が作ってくれた料理は、今まで食べてきたどんなクリスマスディナーより、めちゃくちゃ美味しかった。
そのお礼にと、後片付けは俺がやることにしてその間に楓に風呂に入ってもらって。
入れ替わりに風呂に入り、リビングへ戻ってくると、楓の姿がない。
「楓?もう寝たのか?」
声をかけつつ、ベッドルームのドアノブへ手を掛けると。
中から、ガタガタと騒がしい音が聞こえた。
「楓?なにやってんだ?」
不思議に思いながらベッドルームのドアを開くと、ベッドの上には布団を身体にきつく巻き付けて、ちょこんと顔だけだした楓がいて。
なぜか、その顔は耳まで真っ赤だ。
「どうした…?」
「ちょ、ちょっと待って!まだ来ないで!」
近寄ろうとすると、あたふたと大声で叫んで。
布団ごと、ずりずりと後退る。
「なんだよ、いったい…」
その態度に、どうやら布団の中になにかを隠してるらしい、ってことはわかったから。
足を止め、腕を組んで大袈裟に溜め息を吐いてみせて。
「じゃあ、出ていこうか?」
少し低い声で、そう言ってみると、ぐっと言葉に詰まったのが見えた。
「…やだ」
「じゃあ、傍に行ってもいい?」
小さな声で首を横に振る楓に、今度は少し柔らかい声で訊ねると。
しばらく考えた末に、微かに頷く。
いったいなにを隠してるんだか…
でも、プレゼントはさっきもらったし、隠すようなものなんてあるのか…?
思案しながら、わざとゆっくりと近付き。
ベッドに足を掛けた瞬間、ぐっと距離を詰めて楓の身体に巻き付いてた布団に手を掛け、思いっきり左右に開いた。
「あっ…!」
「えっ…?」
そうして、現れた楓の姿に思わず絶句する。
上半身はなにも身に付けてなく
大事な部分にだけ、白い下着を着けている
必要最小限に大事な部分を隠すだけの
フリフリのフリルの付いた
ティーバックのエロい下着を
「…楓、これは…」
「ち、違うのっ!これは、俺の趣味じゃなくって…!は、春くんと和哉に、クリスマスに蓮くんに喜んでもらうにはなにしたらいいかなって相談したら、たまには趣向を変えて、こういうので楓から誘ってみたらって、わざわざ通販で取り寄せられちゃって…お、俺はやだって言ったんだよ!?でも、二人に押し付けられちゃったからっ…」
究極にエロいその格好と。
真っ赤な顔のまま、むきになって言い訳する子どもみたいな姿のアンバランスさに。
脳みそがシェイクされたみたいに、グラグラした。
これはヤバい…
「れ、蓮くん…?」
あいつら…
たまには良い仕事するじゃねぇか!
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