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番外編 蜂鳥(ハチドリ)5 side楓

久しぶりのエッチに興奮してるのか、それとも本当にチョコの媚薬効果なのかはわからないけど。 蓮くんの熱い手に包まれると、昂った身体はあっという間に達してしまいそうになる。 「蓮く、まってっ…も、でちゃいそうっ…」 「いいよ、イって」 「やだぁっ…」 一緒に、って言ったくせに、蓮くんは俺だけを追い詰めるように扱く手のスピードを上げて。 「あっ、だめっ…イっちゃ…あぁぁっ…」 俺は我慢出来ずに、蓮くんの手の中に吐き出してしまった。 「ばかぁっ…一緒に、って、言ったのにぃ…」 思わず、腕を叩いて抗議すると。 「ごめんごめん。楓の気持ち良さそうな顔が可愛くて、つい…」 蓮くんは俺を宥めるように、おでこにキスをして。 「じゃあ、今度は楓の中で、俺を気持ちよくしてくれる?」 指先で、くるりとお尻の入り口の縁をなぞる。 それだけで、一度吐き出して落ち着いたはずの身体が、また熱を孕んだ。 「ん…きて、蓮くん…」 堪らず、両手で足を持ち上げて。 蓮くんの熱いモノを待ちわびてひくつく窄まりを、目の前に晒す。 瞬間、蓮くんの瞳がギラリと光った。 「おまえ…その誘い方、エロすぎ」 まるで獲物を捕らえた獣のようなその眼差しが、更に身体を熱くする。 「ねぇ、早くぅ…」 早くその熱い楔で貫いて欲しくて、お尻を揺らしておねだりすると。 蓮くんはゴクッと大きく喉を鳴らし、きゅっと眉を寄せ。 無言で指を俺のなかに押し入れた。 「あぁぁっ…」 そうして、指をバラバラに動かして、いつもより少し乱暴な動作で拡張しようとする。 「あ、ぁ、ぁぁっ…」 怖いくらいの眼差しで俺を見下ろす蓮くんの額には、珠のような汗がいくつも浮かんでいて。 息も、いつもよりずっと乱れてて。 それが蓮くんが俺をすごくすごく求めてるってことを教えてくれるようで。 全身が、喜びで満たされていく。 これも、チョコの効果、なのかな…? そんなことを頭の片隅で考えたけど、俺の身体を知り尽くしてる蓮くんの指が的確に俺の感じるところを責めてきて、思考なんて快楽の波に一瞬で溶けてしまった。 「ねぇっ、も、むりっ…早く、ちょうだいっ…」 「…っ…ああっ…」 ポタリ、と蓮くんの汗が頬に落ちてきたのと同時に、中を暴れまわっていた指が抜かれ。 どこからか取り出したゴムのパッケージを歯で噛んで開けて、もうマックス状態に膨れ上がったペニスにくるくるっと手早く巻き付ける。 「じゃあ入るよ、楓」 わざと見せつけるように入り口をその先っぽでつつかれると、これからやってくる快感の予感に胸が高鳴った。 「ん、うんっ…」 ぎゅっと強く抱きつくと、強く腰を掴まれて。 待ちわびた熱いモノが一気に俺の中に入ってくる。 「あぁぁっ…!」 鋭い快感が全身を貫いて、それだけでまた達してしまった。

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