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番外編 蜂鳥(ハチドリ)6 side楓

「は、ぁっ…ぁっ…また、イっちゃ…あぁっ…」 激しく奥を突かれて。 またすぐに次の快感の波にさらわれた。 「楓、かわいい。いっぱいイッて?」 吐精の余韻にびくびく震える間にも、また気持ちいいとこをピンポイントに責められて。 「あ、ぁっ…蓮くっ…おかしく、なるぅっ…」 快楽の頂点から、下りられなくなる。 「っく…すっげぇ締まるっ…」 ポタポタと、蓮くんの汗が雨のように降ってくる。 擦れた部分から次々に新しい快感が生まれ、また俺を絶頂へと押し上げて。 「あぁっ…だめっ…また、くるっ…蓮くんっ…」 叫ぶと、俺の中の蓮くんが限界まで膨らんだのを感じた。 「っ…楓っ…俺も、ヤバっ…」 「きてっ…蓮くんっ…」 律動が、早くなって。 一番大きな波が、きた。 「イクっ…イク、イクっ…イッちゃうっ…」 「楓っ…イクっ…」 トドメを刺すように、蓮くんのが最奥を抉じ開けるように突き刺さると。 熱い迸りを、身体の深い場所で感じて。 一瞬遅れて、自分の腹の上にも同じものが広がった。 「っ…はっ…ぁっ…」 倒れるように覆い被さってきた蓮くんを抱き締めると、ぎゅっと強く抱き締め返してくれて。 互いの鼓動が一つに重なって。 身も心も、幸せで満たされていく。 「気持ちよかった?」 「うん、すごく。蓮くんは?」 「俺も、すげー気持ちよかった。でも…まだ足りないんだけど」 そう言って。 まだ硬さを保ったままのそれで、とんっと奥を突かれる。 「んっ…」 じわり、とまた新たな快感が沸き上がってきて。 「…俺も…」 もっと欲しい、って言いかけた瞬間。 「ふぎゃーーーーっ!」 「ふにゃーーーーっ!」 ベッドルームから、双子の泣き声が響き渡った。 「っ、うわっ!」 反射的に勢いよく起き上がると、その弾みで蓮くんがソファの下に転がり落ちる。 「あぁっ!ごめんっ!」 「痛って…」 「ふぎゃーーーーっ!」 「ふにゃーーーーっ!」 助け起こそうと手を伸ばしかけたら、また泣き声が聞こえてきて。 「はいはい!今行くからっ!ごめん、蓮くん!」 俺は蓮くんに両手を合わせると、脱ぎ捨てたパンツを慌てて履いて、ベッドルームへと駆け出した。 翌朝。 がっちりと俺を抱きすくめて眠ってる蓮くんの腕を、起こさないようになんとか解き。 すぐそばのベビーベッドで健やかな寝息を立てて眠ってる櫂と凪の姿を確認して。 俺はベッドを降り、リビングへと向かった。 朝食を用意するためにソファの横を通り過ぎようとしたら、昨日開けたまま放置してしまったチョコの箱が目に飛び込んでくる。 俺がもらった箱には、まだチョコが5つ残っていて。 俺が蓮くんにあげた箱は、空っぽになっていた。 確か、エッチ始めた時にはまだ1個残ってたはず。 「…あの後、食べてくれたんだ…」 キッチンへ行くのは後回しにして、ソファに腰掛け。 残ってたチョコを、一粒口に入れる。 口の中に広がった甘さとともに、昨日の甘いエッチの記憶が蘇ってきて。 思わず顔がにやけた。 「来年は、でっかいハートの手作りチョコでも作ろっかな」 それを手渡した時の蓮くんの照れたような笑顔を想像しつつ。 俺は今度こそキッチンへと向かった。 END

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