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番外編 朱嘴鸛(シュバシコウ)5 side蓮

ベッドルームのドアを開けると、更に濃厚さを増した楓のフェロモンの香りが一気に俺を包み込んで。 抑制剤で冷静さを取り戻していたはずの身体が、一瞬で熱くなった。 「楓」 いつの間にかベッドの上に作られた俺の服の山に向かって声を掛けると、ごそごそと山が揺れて。 「蓮くん、おそいよぉっ…」 目元だけを出した楓が、非難の眼差しを向ける。 「ごめん、ごめん」 「ねぇっ、早くぅっ…早く、ぎゅってして…!」 ヒートの時にしか見られない、駄々っ子みたいな姿が可愛くて愛おしくて。 急いでベッドへ上り、自分の服の山を掻き分けて。 素肌に俺のシャツだけを纏った楓を、強く抱き締めた。 「蓮くん…いい匂い…」 縋るように俺の首筋に顔を埋め、安心したようにほぅっと息を吐き出す。 「ごめんな、遅くなって」 「ううん…」 「これから、いっぱい気持ちよくしてやるから」 柔らかな髪を指先で撫でてやると、熱で潤んだ黒曜石の瞳に俺だけを映し。 「ん…いっぱい、気持ちよくして…?」 心の底から幸せそうに微笑んだ。 その姿に、俺の胸にはじんわりと熱いものが広がる。 今までのヒートの時 楓がこんな風に幸せそうに笑ったことはなかった 番になってからも ヒートの時はどこか苦しそうで… 子どもたちが生まれて 今ようやく本当の幸せを感じてくれているんだろうか…? だったら嬉しいな… 「ねぇ、はやくぅ…」 ここにある確かな幸せを噛み締めていると、しなやかな腕が背中に強く絡み付いた。 「蓮くんっ…」 美しい楽器のような声が、俺の名を呼ぶ。 「ねぇっ…はやく、蓮くんが欲しいよぉっ…」 何よりも愛おしい魂が、俺だけを求めてきて。 「ああっ…」 急激に沸き起こされた官能に、堪らず、その熟れた果実のような赤い唇にかじりつきながら、両足を大きく開かせた。 「ん、んっ…」 優しく愛撫する余裕もなく、お尻に指を這わせると、そこはもう俺を待ち焦がれるようにしとどに濡れそぼっていて。 ズクン、と下半身に熱が灯る。 「っ…は、ぁっ…蓮くんっ…」 蜜の溢れるそこを、強請るみたいに腰に擦り付けられると。 理性なんて一瞬で吹き飛んでしまって。 「楓っ…」 引きちぎる勢いで着ていたTシャツと下着を脱ぎ捨てて、もうマックスに硬くなったペニスを柔らかいそこへと突き立てた。 「あぁぁっ…」 いきなり挿入したからか、楓の花のような唇から悲鳴じみた嬌声があがったけど、そのなかは俺を待ちわびていたように柔らかく包み込んできて。 「蓮くんっ…もっと奥までぇっ…」 艶かしい声と感触に導かれるままに。 俺は楓の一番奥へと一気に押し入った。

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