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嘘つき_28
「え…………金崎?」
ガクッと膝が落ちると流石の周藤でも支えきれず、二人してズルズルと地面へへたり込む。
「大丈夫か?どうした?」
「こ、腰抜けた……」
「え……」
「お前のせいだ……お前が、抱き締めたりなんかするから……」
「…………」
後ろから肩を支えてくれていた手に微かに力が入った。
「あのさ……この前言ってた金崎が好きだった奴って、俺、だったりする……?」
周藤の言葉には驚かない。こんなのバレて当然だ。
「だったら何だよ?気持ち悪いだろ、もう放っておいてくれよ……」
「そんなこと無い。本当はずっとそうなんじゃないかって思ってたから、だから――」
ずっと……?今、ずっとって言ったよな……?
「――はっ、何だよ……ずっとって何だよ……僕の気持ち知ってて笑ってたって事かよ……!」
肩に置かれていた手を思い切り振り払う。
込み上げてくるのは悔しさと悲しさと恥ずかしさと、それから堪えられない涙。
「違っ、そうじゃなくて!」
「じゃあ何だよ……!」
「…………笑ってたとかじゃない。何となくそうかもしれないって思っただけで、確信はなかったし……俺の、その……先入観的なものがあるのかなって思ってた」
「……?」
「……だから、そうだったらいいなって思ってたんだよ。金崎が俺の事好きだったらいいなって思ってたって事」
コイツは何を言ってるんだろう。
「…………ちゃんと伝わった?金崎の事好きだって言ったんだけど」
「好き……?嘘付くなよ……だってお前、学生時代彼女いただろ!この前だって女連れてホテル街居たじゃないか……!ノンケのくせに……どんなに女顔でも、僕は男だ…………っ!」
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