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嘘つき_31

更に握り込まれた手が熱い。 熱くて、熱すぎて全身を駆け巡っていく。 「努力をさせてほしい。もう一度好きになってもらえるように頑張るから。チャンスをもらえないか……?」 冗談じゃない、ふざけるなって……言ってやれたら良かった。 重なる手が微かに震える事に気が付かなければ良かった。 何だよ、柄にもなく緊張でもしてるのかよ……周藤のくせに。 「……っ……チャンスなんて、あるわけない……」 「……金崎………だけど俺諦められな――」 「――僕が!僕がどれだけお前の事好きだったと思ってるんだよ……。僕が周藤以外を好きになれる訳ないだろ……」 「………………」 「だからっ……そんなチャンスなんて、ない……そんな……っ。僕は、周藤しか好きになれない……」 ポタポタと落ちる雫は周藤の手を滑り、僕の手まで濡らしていく。 「……金崎、俺今すごく必死だから……その、俺の事まだ好きだって言ってるように聞こえる……」 「〜〜ッから……!そうだって、言ってるんだよ馬鹿……」 「……ほ、本当に?恵藤じゃなくて、俺……?」 「……そっちこそ、本当に僕の事好きなのか……?男だぞ?本当に分かって――」 握られていた手が離れ熱を失ったのはほんの一瞬。 「――分かってる。ちゃんと分かってるから」 包まれた周藤の匂いとすぐ傍から聞こえてきた鼓動に、抱き締められたのだと気付く。 「覚悟は決めてきた。……今、凄く嬉しい」 周藤の心臓、ドキドキしてる……。 「本気だから、俺。信じてほしい」 「……じゃあ」 「ん?」 「……好きって言って。遠回しじゃなくて、ちゃんと言って」 僕だって負けないぐらい心臓がうるさいんだ。 だから、ねえ……この背中に縋って、夢じゃないって確かめてもいいかな。 「好きだよ。俺は金崎が…………佑真が好きだ」

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