34 / 41

SS_初夜1

『遅くなってしまいましたが、その後の二人の後日談をリクエストいただけましたのでSSで追加させていただきます。リクエストありがとうございました!』 side 周藤 想いを通わせてからの佑真は正直死ぬほど可愛い。 いや元々可愛げのある奴だとは思っていたけど、恋人になった佑真は更に可愛い。 照れ屋なところは変わらないが、以前よりもこう……素直になったように思う。 「…………周藤」 「ん?」 「………ん」 伸ばされ広げられてるのはソファーに座ったまま俺を見上げてる佑真の腕だ。 仕事終わり、こうして佑真の部屋へ赴く事がすっかり習慣づいてしまった。明日も仕事だと言うのに随分長居をしてしまったと、ソファーから立ち上がった刹那の出来事だ。 立ったまま呆然とした俺に佑真はもう一度「……ん」と腕を揺らした。 「えーっと……抱っこ?」 「……ん、ベッドまで」 少しだけ逸らされた視線。 自分から言い出したくせに照れてるみたいだ。 「はいはい、お姫様抱っこがご希望?」 「さすがに重いぞ?僕も男だ」 「佑真細いからいけると思う。………よっと」 「――うわっ!?ちょ、これ怖」 「暴れると危ないって。腕、首に回して」 佑真は大人しく腕を回して、ぎゅっと身体を寄せた。 「ぜ、絶対落とすなよ」 「かしこまりましたよ、お姫様」 柔らかい黒髪に唇を寄せ、抱えた身体を寝室へと運ぶ。 ベッドの上に優しく降ろして向けられた期待の眼差しに応えるように、佑真の眼鏡を外した。 綺麗な顔、男に使うのはおかしいかもしれないが美人って形容がピッタリ当てはまる。 「…………おやすみ、また明日な」 触れるだけのキスを残して踵を返したが、俺の足は前に進めなかった。 引き止めたのはスーツの袖を掴んだ佑真の指先。 「もう、帰るのか…………?」 窺うような視線に無意識に唾を飲んだ。 「あ、ああ、明日も早いしな……」 「周藤、僕達付き合ってもう一ヶ月経つ。だから、その……そろそろしてもいいんじゃないか……?」 「するって…………」 「…………だから、しょ、初夜、とか」

ともだちにシェアしよう!