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第145話(軽い近親相姦表現アリ)

「止めろっ」  薬のせいと首を絞められたせいで、上手く力が入らない。 「唯希のそのくだらない常識、俺が取っ払ってやるよ」  冬は笑うと、俺の股間に顔を伏せた。  何の躊躇いもなく俺の屹立を冬が銜える。 「嫌っ、嫌だ、冬。お願いだ。止めてくれっ」  大声で叫んでも冬は行為を止めなかった。  冬は丁寧に俺の茎に舌を這わせると、絶妙な加減で亀頭を吸い上げる。  快楽など感じたくないのに、薬のせいで体が心を裏切り、俺の熱は硬度を増した。 「唯希。気持ちいいんだね。腰が動いてるよ」  冬は嬉しそうに言うと、また口淫を再開した。  俺は半泣きで頭を振って叫んだ。 「冬っ。こんなこと絶対にダメだ。頼むから止めてくれっ」  冬は俺の我慢をあざ笑うように、更に喉奥まで屹立を銜えた。  もう無理だと思った瞬間、冬の口内に俺は放っていた。  顔を上げた冬の喉仏が上下に動く。 「たくさんでたね。兄さん、溜まってたの?」  笑顔の冬の唇に白濁が付いているのを見た瞬間、目の前が真っ暗になった。  俺は自然に机の上のカップを取ると、冬の頭にそれを振り下ろす。  ガシャンと音がし、華奢なカップは簡単に砕け散った。 「つうぅ」  痛みに呻く冬の体の下から這い出た俺は、下着とスウェットを引き上げ、玄関を目指した。  直ぐに冬に襟首を掴まれ、引き戻される。 「もう嫌だ。止めてくれ。止めてくれよ」  俺は冬の胸を拳で殴った。 「こんなことを続けるつもりなら、いっそ俺のことを殺してくれ。どうせ俺なんか産まれてこなきゃ良かったんだ」 「なに言ってるんだよ」  冬が俺の言葉に困惑した表情を浮かべる。 「だってそうだろう?俺さえいなければ、優しいお前がこんな犯罪行為をするはずがないんだ。俺さえいなければ、お前と父さんと母さんで、完璧な家庭で、俺さえいなければ……」

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