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シュガー&ソルト 2 - ②

チラッと佐藤を見ると、美味そうに購買で買ったパンを食べている (あ~も~、にっこにこじゃん!) 学園祭の時、女装していた佐藤を女の子と思って惚れたのに 今は外見つーより、どっちかと言うと中身が好き過ぎて 自分でもヤバいと感じても、歯止めが効かなくなっているのが分かる しっかりしてるのにでも案外抜けてて天然入ってる所とか ご飯食べてる時がなにより幸せそうで、特にお菓子に目がない所も 頭もスポーツも顔もいいのに、歌は酷くて激音痴だとか… 「あの…潮見先輩、どうしたんですか?」 「へ?あ……い、いぃいいや!」 ヤベッ見過ぎてた! 視線を感じたらしい佐藤がこっちを向いた時にバチッと目が合って じわじわと血液が顔に集中し始める (乙女か俺はっ!) 「先輩?」 「あ~~と、あっ、そうだ!ぁあのっ佐藤……今度、家に…うわっ!」 気恥ずかしさを紛らわす為にさっき佐藤に伝えようとしていた事を口にしようとした時 突然の突風 思わず顰めた顔を佐藤に向ければ… 「今のすっげぇ風だったな、大丈夫か……え? 佐藤?」 「先輩……すいません」 「え?え?」 佐藤の手が俺に向かって伸ばされていた 「ちょっ、さ、さささ、佐藤?」 綺麗な指がスルリと頬をなぞり 耳を掠め 髪に指がかかる (顔近ッ!ウソだろおい、いやいやいや……でもこれってッ) 俺を真っ直ぐに見つめる瞳 ゆっくり身体が近付いてきて 顔に影が掛かり 堪らずギューーッと目を瞑っていた

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