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シュガー&ソルト 2 - ③

髪を撫でる感じ 甘党の佐藤から香る甘い吐息が擽るように鼻先に掛かると、あり得ないぐらいに心臓が速くなって… (ヤバいヤバいヤバいって!) 身体が強張って 思考も止まって でも 心の裏側をくすぐられてるような堪らない感覚が全身を包み込む 「潮見先輩…」 優しく名前を囁かれて、いよいよかっ と、そう思った時 フワッと甘い香りが遠ざかって行く 「え?」 「葉っぱ取れましたよ。さっきの風で付いてました」 「え?え!?」 葉っぱ? 佐藤の右手にはどこから飛んで来たのか木の葉が握られていて… 「ッ、ッ!!あ、ぁああ、ぁありが、とう、」 顔がめちゃくちゃ熱い 耳もポッポッとして発熱してるのが分かる (うわっ、キスされるかとマジ思った…) へ? キスって……なに俺、受け入れようとしちゃってんだよ あそこで目瞑るか普通っ ただ単に髪に付いてた葉っぱ取って貰うだけで、どうぞ感丸出しで待ってるって 一体全体どうしちまったんだ俺は! こんなに慌ててヤベェよ いやいやそれ以前に男とキスはないだろッ あ~~、でも… 佐藤の唇柔らかそうだし 甘そうで… ちょっと残念…… (残念ってなんだぁああああ!) 自分で自分の首を締めるとはこの事 ぼわわっと赤く染まる頬 それを止めたくても出来る訳なくて…. 「潮見先輩!?顔真っ赤じゃないですか! 風邪!?大変です今の風邪はしつこいから、あっ熱は?具合は?頭痛は?」 「ーーーッ!!」 そうだよな突然、異常なほど顔を赤くしてたらそう思っちゃうよな? いや、でもさっ お、オデコぉおお 鼻がっ 口がっ (ち、近いぃいいいいッ!) 「し、潮見先輩!!あ、あの大丈夫ですかっ、先輩!?今、ほ、保健室へ!」 「き、きゅう~…」 好きになる事は理屈なんかじゃないらしい だって だってまさか男に オデコで熱を計る予期しないその行動をされて俺は 見るも無残にぶっ倒れてしまったんだから… ■■■■■■■■■■■■ おまけ→

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