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ストーカーくんの恋 1 - ⑤

「仁科 青嗣(にしな せいじ)さん、仕事にプログラム開発を手掛ける27歳独身。 趣味は特になく、強いて上げるならPCの回線機械いじり そして、このアパートに一人暮らし…」 ですよね? スラスラと言葉を紡ぎニッコリと笑うコンビニくんに ブルリと体が震える 「あっ、こうやって面と向ってお話しするの初めてですよね? 俺、高校一年で、ついこの間からここの近くのコンビニでバイトしているんです」 だから、仁科さんの事良く知っているんですよ とも、付け加えられるが 逆にその笑顔が恐怖心に一気に変わった だってそうだろ? 男を気絶させた上に、勝手に家に侵入、さらに手錠で拘束しているんだから… (あれ?) 「あっ、あ……ど、」 「ん?ああ、どうやって家に入ったか……ですか? そんなの簡単ですよ。かなり前、仁科さんが寝ている時に入った事があるんで。 ここのアパートって型が古いのでピッキングするの楽勝でしたよ」 「…………え゛ッ!?」 「その時に鍵お借りして合鍵作りましたし…」 ちょっ、 なに言ってんだ? 「あと、この部屋に監視カメラと盗聴器も仕掛けさせて貰いました。 だから、俺……仁科さんの事、四六時中監視していたんです」 俺に話し掛ける練習してましたよね? 手錠を購入したり 興奮して、俺で何度も抜いたりしていたの 知っているんですよ…… そう言いながら 「ッ、ひっ」 僕の頬っぺたを撫でてくるコンビニくん 手錠で体を動かす事は出来ないが コンビニくんの目を見ていると 蛇に睨まれたカエルの意味がわかる 体が金縛りにかかった様に動かない 「それに、いつも持っている仁科さんの会社用のバッグに高性能GPSも入れてたので、どこにいるかすぐ分かりましたし。 だって、知りたくなったら当然でしょう? あれ?俺、変な事言ってます?」 嘘だろ? (僕と同んなじ事を…) いや、コンビニくんの方が一枚も二枚も上手で…… そこで初めて 自分がストーカーにあっていた事を知る

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