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ストーカーくんの恋 2 - ③
「仁科さんっ」
「え?っ、ーーーっ!!ぅ…な、なな…ぃいい市くん」
「12時4分、時間ピッタリですね。いつもすぐそこのコンビニでパンとコーヒー買った後、近くの公園で一人お昼取ってますよね?12時35分には食事を終えて、また会社に戻る。
その後、休息時間いっぱいまで個別に作っているソフトを手掛けて、18時の就業時間まで仕事…」
「っ、っ!!な、な、な」
「そんなに驚かなくても。仁科さんの事はなんでも知っていますから。
今日は一緒にお昼食べたくてお弁当持って来ました」
「え?…ぼ、ぼぼぼ僕に?」
「はい」
その瞬間
ボボボッと首まで真っ赤に染まる顔に嬉しくなる
こんな顔が見れるなら毎日用意してあげたい
「仁科さん、美味しいですか?」
「はは、は、はいっ……すごく、お、美味し」
俺が話し掛けるたび、何にビクついているか分からないオドオドしたその動き
見て呉を気にする事のないヨレたスーツに伸ばし過ぎの髪の毛
何より
(やっぱり綺麗な顔だ…)
目を隠すように伸ばされた前髪でも隠しきれない整った顔が見れば見るほどゾクゾクする
コンビニで目が合った瞬間、自分でも信じられないぐらいの笑顔が零れた
絶対俺のモノにしてやる!……と。
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