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七転八倒 - ②
今、何時だろう?
腹は減りすぎて限界を超えると、反対に空いているのかも分からない状態になった
それよりも、眠い……
助けを呼ばないといけないのに眠くて、眠くて、助けを呼ぶ事それ事態が面倒くさくなっていく
よく、寝たら死ぬぞ……
そんな事を冗談で話していた事はあるけど
今がその時らしい
猛烈に眠気が襲って、自然と瞼が閉じ始める
このまま寝ちゃおうか……
そんな風に眠りに身を委ねようとした時
『おい、主(ヌシ)よ』
上から声が降って来た
人が気持ち良く微睡んでいる時に、なんて空気の読めない…
無視だ、無視
『おいこの寒空の下、大の字で寝ている図体のデカい主よ』
無視……
『おーーい、そこの熊の様にデカイ体で寝腐っている主よ。人が話し掛けた時は返事をするのが人の常ではないのか?』
う、
ッ、うるせぇッ!
何度も呼ぶその声にイラッとして目を開けるとそこには
(なっ!?)
銀糸の色をした長い髪
透き通る白い肌に、女性と間違う様な整った顔立ち
そして、服ではなく着物を着た……
着物?
『こんな所で寝るとは、なんと奇特な。風邪、引くぞ?』
そんな男が立っていた
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