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七転八倒 - ④
その後…
目が覚めた時には雪はピタリと止んで、眩しい程の太陽がサンサンと真上から輝く
「あれ、夢…か?」
唇に余韻が残る感触にしばらく浸っていれば、何故か不思議な事に体が軽いと感じた
まさか……と思って動かしてみた体は打ち付けた時の痛みも、寒さも空腹も無くて
健康体そのもの
「…まっ、いいかぁ」
そして下山した俺に待っていたのは
幽霊でも見た様に驚愕し、泣き出す友達
どうも俺は
3日間遭難していたらしい
さらに聞けば、急激な寒波到来に天候が荒れに荒れて救助も出来なく、俺の安否は絶望的だった事
無事に帰って来れたのは奇跡
奇跡……
(俺…運強ぇ!いや〜神様っているもんだな、ありがとう神さー…)
『ちなみに主よ、お前の名は何と言うのだ?』
「まッ、!!!」
耳元で聞こえた声に飛び跳ねる
心臓が不整脈を起こす
「な、な、なっ!?」
誰だってこんなん見れば声にならない言葉を発するに違いない
俺の頭上でフワフワと浮かぶ銀色の長い髪をした男が見えれば、誰だって……
「ぎ、ぅぎゃぁあああ!!」
『失敬な』
悲鳴は上げるだろう
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