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七転八倒 - ⑧
「くっ、この…ん、ふぁッ、あ」
『和樹よ此処が良い処か?もっと奥が良いか?』
「あ、あ…も、抜けッ」
『浅い処が好きなのだな?』
「くぁ、…違ッ腰回すなって、っく、ぁ」
ぐちゅぐちゅッ……
卑猥な粘着音が耳に届き
奴が腰を打ち付けるたび下半身に淫らな感覚が拡がっていく
もう何時間経っているのかも分からない
今だに両手は氷漬けで、頭上に固定されたまま
唯一、自由な足は膝裏を掬われ
屈辱感の正常位の体勢
手も足も出せない俺を奴は
撫で回しては
腰を揺さぶって
俺の中で何度も……
「く、…あ、あ、」
『良い、力が戻る…和樹……また主の中に注ぐぞ…ッ』
「っ、んんんッ」
奥にじわぁ…と熱い飛沫をまた感じる
その熱さで奴との腹の間に脈打つ俺のモノもビクンッと反応して一緒にイッていた
「ッ、ちくしょ…また、俺」
『まだ足りん。力もだが、我は和樹とこの行為を続けたい…良いな?』
「も、訳…分んね、く、あ、あ」
『和樹も慣れてきた様だし、そろそろ良いか…』
慣れてねーーよっ!
と、口を開こうとした瞬間
バキンッ
何かが壊れるそんな音が耳に届いた
『和樹よ、背中に手まわしてしがみつくのだ』
そう言われて、頭上でひとくくりの今まで動かなかった手が動く
固定させていた氷は跡形もなく消えていて自由の身…
これで自由…
な、事はなく
「ッ!?そ…そこ止、ダメだくんんんっ」
さっきから掠めてはわざと焦らすかの様に翻弄していた奴の突き上げが、正確にポイントを狙う律動に変わる
さっきイったばかりなのに、甘く痺れさせぐちゅぐちゅに溶かすその動きに俺は
いや、体が俺を裏切った
足は奴の腰に絡ませ
『これは良いな。和樹と深く繋がれる』
手はこいつの背中にしがみつき
「また、イ…く、ぁあ、あ」
自分が満足するように腰が動き
『我が感じた通りだ、ッ…和樹、我が名は「六花」呼べ、我が名を…』
「何だよお前ッ、くそ…ろっ、ろっかッ、そこあ、あ…六花ッんんん」
俺が名前を呼んだら、また重なる唇
舌を差し込まれ、その舌に無我夢中に応え続けた
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