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花開きの夜に 4(※)

「んッ…う、あ」 オラガの秘孔を突いたのは、小さくて細い――子どもの中指だった。 唾液のようなものでぬめらせた指先をゆるゆると滑り込ませ、不慣れな手つきで孔内(なか)を蹂躙していく。 「オラガ…。僕がしてあげる」 「イ…オリ…!お前、どうして…」 「ねえ、この中を擦ったら気持ち良い?オラガから良い匂いがしてて…跡を辿ってきたの」 「やめろ…ッ、抜けっ!…あ、っぐ」 「オラガ、お願い。僕のも擦って。お腹の奥の方が変なんだ。痛いの治まったのに、今度はムズムズして…切なくて苦しい」 不規則な指の動きで秘孔の内側をぐいぐいと擦りながら、イオリは自身の熱くなった魔羅をオラガの腰の辺りにくっつけて擦り出した。 そして、そのままオラガの背中に前身を投げ出し、こちらも擦り付けるように上下にゆっくりと動かす。背中越しに伝わるイオリの胸の突起の感触に、オラガは堪らず興奮を覚えた。 「ああ、イ…オリ…ッ!出る…ッ」 「あぅ、オラガ…。後ろの孔、ぎゅってなってる」 「はッ…あ、うう」 地面に擦り付けていた魔羅を少し持ち上げて三度目の吐精をすると、さすがにオラガの半身がふらりと揺れた。 「オラガ、僕にも…して」 「イオリ…お前…っ」 「初めてなの、こんな風になるの。だから、どうして良いか分からな……ぁ」 ぐるりと素早く身を翻してイオリの身体を地面に押し付ける。そのまま彼の上に馬乗りになると、オラガは眉根を寄せながら「フーッフーッ」と獣のように荒い息を吐き出してイオリを見下ろした。 「イオリ…逃げろ。これは獣の発情なんだ。お前にはこんな姿を見せたく…ない。それに、このままだとお前を滅茶苦茶に傷付けてしまう…」 「オラガ…大丈夫だよ」 すりっとオラガの逞しい腕に頭を擦り付けると、イオリはオラガの魔羅に手を伸ばした。温かくほっそりとした指先の感触は、達したばかりで敏感に脈打つ魔羅を容易に再び硬くした。 「…ァ、やめ…ッ」 「オラガの魔羅で、僕をいっぱい突いて…」 何処で覚えてきたのか、年頃の女子(おなご)のような(そそ)る台詞を口にしてイオリは瞳を潤ませる。上気した桜色の頬も、柔らかな髪も、熟した果実のように艶やかな唇も、そして彼の全身から漂う雌の匂いも、その全てがオラガを妖しく誘う。 けれども、オラガは唇をギュッと噛み締めるとイオリの上から一旦退いた。 そうして、ざぶざぶと音を立てながら浅瀬の沢に身を浸からせる。 「オラガ…」 「今のうちに逃げろ、イオリ。お前は初潮を迎えて、気持ちが少しおかしくなっているんだ。冷静になった時に必ず後悔して苦しむ事になる」 「神様と人間だから…?それとも父子(おやこ)だから?」 「そのどちらもだ」 「それでも僕は構わないよ。頭がふわふわしてるから、きっと眠ってしまえば全て忘れるかもしれないし」 「駄目だ。イオリ、聞き分けろ」 苦しげに吐き出されたオラガの言葉を受けて、イオリはふらりと立ち上がった。そうして、そのまま身に付けていた腰布を脱ぎ捨てて裸になる。 月光に照らされた彼の肢体は、淡く青白い光を帯びて蠱惑的な空気を纏っていた。元々が女子のような顔立ちなので、儚げな風貌が一層艶めいてみえる。 「ねえ、僕を滅茶苦茶にして…オラガ」 自身の魔羅をゆるゆると扱きながら、イオリは沢に近付いて腰を下ろす。 そうして、オラガに自身の魔羅とホトを見せつけるようにしてゆっくりと足を広げた。

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