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不器用な家族 2(※)

*** 「あっ…ゃあああ…ッ」 「は…ッ、あぁっ…イオリ。このまま…お前を壊してしまいそうだ」 「い…やぁ…。ああ、オラガ…激し…っ」 「ほら、お前ももっと腰を振れ。ああ、自分の指で乳まで弄って…随分と悦さそうだな?」 「ひぁぁ…っん…。っふ…オラガ…お願い、胸舐めてぇ……んぁぁ…ッ」 胡座をかいて座るオラガの上に跨り、下から幾度も激しく突き上げられながらイオリは甘い声で鳴き続けていた。 一人で先に果てないようにと、いつもの如く片手で自身の魔羅の付け根をぎゅっと握り締めている。 ぐちゅぐちゅと(なまめ)かしい交わりの水温に聴覚を犯されながら、オラガの舌の腹で片方の胸の突起をねっとりと舐められ、吸われてイオリはびくりと大きく背を仰け反らせた。 最近、こうしてホトの部分で達することを覚え、その度にホトに挿入(はい)っているオラガの魔羅を締め付けては刺激している。 胸の先を吸われ、イオリの腹の奥からとろりとろりと熱い体液が湧き出すたびに、オラガの口からも甘い呻き声が漏れる。その声が、さらにイオリを刺激した。 「ああッ、出る…っ!イオリ…っ」 「オラガ……ッ…。僕も…あぁん――――」 オラガの逞しい胸元に抱き寄せられたままで、ホトの最奥に熱い白濁をどくどくと吐き出されていく。大きく脈動する彼の魔羅の動きに煽られるようにして、イオリも自身の魔羅の先をオラガの下腹部に強く擦り付けた。先走りの液が潤滑油となり、刹那の間に昂って張り詰める。そうして、手を離してイオリも白濁を一気に溢れさせた。 「んぅッ…オラガ…はッ…あ、愛してる…」 「イオリ……ッく、まだ出るぞ…」 「ふぅ…っ、あ、ああ」 犬神であるオラガの吐精は随分と長い。 ヤトを()す際に人間の巫女と交わった際には、巫女が途中で耐え切れずに気を失ってしまったという。 確かに、これだけ毎度激しく抱かれていては普通の女子であれば身体を壊しかねなかった。 両性具有として半分は男の身体であるがゆえに、自分はオラガの精を何とか受け止めきれているのかもしれない。 *** 「オラガ…。ヤトとは話せた?」 「いや、その…最近ずっと避けられているから」 随分と歯切れの悪い返答に、イオリは顔を曇らせた。かくいう自分も、ここ暫くはヤトから避けられている。 笑う顔にさえぎこちなさが滲み、目線を合わせることもなくなった。 原因は分かっている、自分達が番としての関係をもったと彼に伝えたからだ。 家族であるからこそ、尚更に上手く受け止め合えずに互いの溝がどんどんと深まっていくのかもしれなかった。 オラガの腕の中に抱きしめられたままで、イオリは小さく息を吐く。 目交(まぐわ)いでの脱力するような疲労感もあったが、それ以上に胸の奥底に沈み込んだ鉛のような重苦しさがずっしりとその心に()し掛っていた。 「僕はヤトを苦しめてるのかな」 「そんな事はない。もっとゆっくり時間をかけて話し合えば、ヤトは必ず受け入れてくれる。俺にとっては、あいつも大事な息子なんだ。だからこそ、しっかりと向き合う。イオリは不必要に不安を感じたり自分を責めたりするな。お前のことも、俺がちゃんと守る」 「…うん。ありがとう、オラガ」 頬に添えられたオラガの手に自身の小さな手を重ねると、そのまま口元へと(いざな)うようにずらしていく。そして、イオリは彼の指先に軽く唇を付けた。 オラガと交わり、番となって二ヶ月ほどになるが、彼への愛おしさは時が経つごとに益々深まっていく。

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