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10day・sun 3/21

『黙ったままいなくなっちゃうなんて、ひどいじゃないですか~~週末はずっと一緒にいようと思ってたのに』  あれから誰も知られる訳でもないのに、後ろめたい気持ちで誰にも会いたくなくて一人暮らしのベットの上、毛布を被って引きこもった。幾度となく届く桐生からのラインの着信音が鳴るたびにびくりと体が跳ねる。  ラインIDを教えたことも記憶にないが……。  ……怖い。  こんな大きなことが、淡々と進んでしまっている感じが怖すぎる。  なんで、なんで俺はやつと寝てしまったのか?  記憶が追いつかない。そんなに深酒しただろうか……。  どうにか打ち消せないかと思いを巡らすが体を動かすたびに起こる痛みと断片的な記憶のフラッシュバックに何度も打ちのめされる……。  無理矢理じゃなかった……? むしろ俺から? 的な感じ?  ああ……!  もう、自分が自分が! 信じられない!! 「……う!」  ベットの上で悶絶していると背中を突き抜けるようにズキリと痛みが走った。記憶がまた脳裏を過ぎる。  痛い……苦しい……なのに体の中からじわじわと侵食されるように気持ちいい。 『早く、早く俺を好きになって……』  耳元で聞こえた吐息のような桐生の切羽詰まった低い声。  気持ちよくて苦しくて俺は……。 (あーーーー!!! やめろーーーー!!!)  バタバタと腕を振って思考を止める。  なんとか息を整えると下半身が熱くなっているのが解った。 (あーーーー俺のバカ! 俺の尻軽!)  明日になったら会社に行かなくてはならない。  どんな顔して会ったらいいんだ? (あーーーー会社行きたくない!)

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