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289day・mon・12/27

 キーボードを打つ目の端にブレスレットが目に入る。 『お誕生日おめでとうございます』  24日の誕生日に桐生はプラチナのブレスレットをプレゼントしてくれた。 『時計にしようかと思ったんですけど、深森さんいつもしてるスマートウォッチ気に入ってるみたいだから』  まるで糸をよったような繊細な作りで紺色の時計と一緒につけるとベルトの飾りみたいで、悪目立ちしない。 『これなら普段でも付けやすいでしょ。俺の物だっていう証です』  桐生はそう言って、ブレスレットをつけた俺の手を取ると、その上からキスをした。  さらりと繊細なチェーンが揺れ手首をくすぐる度に桐生の手で触られているような、手首を掴まれているような感覚になる。  今までプレゼントのアクセサリーの意味なんか深く考えたことは無かった。けれどそれを意識する度に、まるで誓いのような呪縛のような桐生の言葉が蘇る。  嫌だと思っていないことが愛なのだろうか……。  今まで俺は恋愛についてこんなに真剣に考えたことなんか無かった。  多分それは相手が女性だったから、少しでも好きなら付き合って、嫌なら別れて。そのうち結婚したい女性が現れたら自然にそうなるんだろう位に思っていた。  でも桐生は男だからどうしても考えてしまう。好きじゃなきゃ一緒にいる意味がないんじゃないか……いや、こんな関係になったんだからよっぽど好きなんじゃないだろうか……。  恋愛の仕方がよくわからない……。  俺って今までほんとに恋愛をしてきたんだろうか。

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